「あがる」問題をどう考えるか?その1


「一般論」として考えていますので、個人個人で様々な違いがあります。それでも「考えるためのたたき台」になる可能性を信じています。

①楽譜を見る。暗譜の場合は②から始まる。
②情報を整理し、手指(ペダルの足も)演奏の運動指令を出す。
③動きが楽器に伝えられる。
④その動きが発音機構に伝達される。
⑤音として発せられる。
⑥またそれは演奏者にフィードバックされる。
実際に多くのレッスン現場で注意を受けることは③が圧倒的に多いです。しかし②についてはもっと様々に変える可能性があります。また、④と⑤については、演奏者が作り変えることはできませんが、仕組みを知って②③に生かすべきです。③ばかりが先行すると②との兼ね合いがうまくいかずに、ズレや摩擦、軋轢が生じます。

もう一度整理して考えます。すみません、またこの図です。いわゆる「あがる」はどこの問題か、ということです。いうまでもなく②から③にかけておこることです。本番で「練習、リハーサルと違うから」つまり④~⑥が「普段と違うからあがってしまう」とよくいいますが、例えば「気楽に普段と違う場所で普段と違うピアノを弾いても、あがることはほとんどない」わけです。もちろん「普段と違うからやりにくい」ことは起きることはありますが「あがる」とは違います。
つまり「純粋に②③の問題」としてとらえることができます。

さて、厄介なのは
②の中身について、今までほとんど言及されてこなかった
③については、あがってしまったときはここのコントロールが効かない。つまり「あがった時に③について注意されてもどうしようもない」わけです。つまり②に存在する「あがる原因」は考察されずに③の結果だけを言われている状況であり、解決方法などが考察されない状況ではないだろうか?
ということは②の中身、仕組みについて考察し、対策を講じていくことになります。
また、以前の図を出すことになります。その記事を再掲します。

私は、頭脳をこのように「様々なセクションの集合体」と考えてみました。このうち「言葉を使うことができる」のは「社長」ひとりです。

人間の脳の中は、Aのようになっていると考えている。ここで「社長」としたのは、唯一、言葉で考えるセクションである。各セクション□には、身体の様々な部位がついていると考えられる。人間の「脳」と「各部位」は各部分必要に応じて、様々なネットワークを作るものと思われる。

B「社長は言葉で命令する」ここでは「指使いを12345から1234123に変える」ということを、現場に命令する。

Cすると、社長と各部署がそれぞれ相談しながら、「必要なセクション」に命令を与え、たてよこそれぞれの相談のもとに、新たなネットワークや役割の配置を作り上げていく。目的を達するために、どこがどのタイミングでどこと連携をとって作業を行うかを、構築していく。この過程が「試行錯誤・あーだこーだ言いながら試している段階」である。

Dこの行為によって、新たなネットワークができて機能する。ここで「社長」は「部下のどの箇所がどのような役割を担っているかを再認識し、次回の「命令」は、もっと効率よく「適材適所」「無駄のない指令」をする。また、類似の問題に対して「社長のレベル」まで上げずに解決することもある

Eここでもし、「社長が焦って、強引な命令を出す」すると「パニック」が起きる。それによって、「社長と社員、あるいは社員同士」の軋轢が起きる。これはいわゆる「力が入る」状態を引き起こす原因の一つと考えられる。
この場合、③に戻す、あるいは、本当に①からやり直すことが必要。指導者は、丁寧に「つなぎ方」を指導することなどが考えられる。

F「上がった状態」というのは、「言葉をつかさどる社長」が、1人で全部のことをしようとして、オーバーワークになった状態だと考えられる。原因は「社長が社員を信用していない」「社員の学習、熟練度が低い」などが考えられる。

さて、このようなことから、普段から「あがりにくい」練習の考え方ができると思います。
譜読みのときに「適材適所」をよく考える。
熟練者は「ある課題」に対して「この部分をこのように使えばいい」ということをいわば「切り離して」考えます。「その部分に教えて任せる」という態度です。ところが、初心者は「ある課題」を「全員でやろうとしてしまう」ということがあげられます。ちょうど、子供がサッカーをするときに、全員がボールを追っていくような感じです。プロのサッカーは、各自役割が定まっていて、ボールが他の場所に行っても受ける人がいる状態です。

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