「間違い」を生かす

レッスンの中でよくあることとして「譜読みの音間違い」があります。
私は、生徒が音を間違えたとき、次のの3つのどれに当てはまるか考えます。
1.直さなくてもいいもの
2.音楽の進行上おかしくはないが、作曲家の特有のハーモニーや流れを無視しているもの
3.明らかに音楽の進行上そのような音が来るわけがないもの
1にあてはまるのは、ごく稀です。曲の終止音を1オクターブ低く弾いたとか、和音の内声が足されているとかで、違和感がない場合はそのままにしています。(実は自分でもそのままにしていることはあります)
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問題は2と3です。では2のケースの極端な例を譜例にしてみました。①下の譜例でもハーモニーとしてはおかしくないかもしれませんが、「ショパンのこだわり」がなくなってしまう。
これは、大チャンスです。ただ、「音を直す」だけでなく「直した音を大切に弾き」「一緒に味わう」それにより「芸術作品の素晴らしさ」に本当に触れることになります。
3に関してですが、これは私の経験ですが、もっとも多い「音間違い」は「音階の中の導音」のように思われます。ということは「今弾いている個所の「調」を感じていない」ということ。その個所がどの調に支配され、それが全体の中でどのような個所にあるのか、生徒の理解に応じて解説することにしています。和音を弾かせたり、音階を弾かせたりもします。
極力「そこの音は間違ってる」で済ますことは避けた方がいいと思います。

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練習の注意事項で大きなこと
よくあるのですが、「同じ所で間違える」という問題です。たとえば1小節目から弾いて5小節目の最後で間違えた、そして5小節目の最後の音から弾いてホッとしている生徒がいます。これは「繰り返してはいけない」練習です。間違えた音を確認することはじゅうぶん必要ですが、「前後関係」を正しく把握し、つながりの変化もよく耳と手で理解できるように、そして初めて「音楽の文脈の中で正しく弾ける」ようになるのだと思います。

ベートーヴェンのピアノソナタ第7番の冒頭について(1月24日)バッハの平均律第1巻3番フーガについて(1月25日)よく考えるとこれらは「生徒の間違い」から始まっているということです。ベートーヴェンでは「強弱の読み落とし」から始まっていますし、バッハは「音階の理解不足やソルフェージュ能力の問題」です。ただ何も考えずに「間違ってる」というだけで終わったかもしれません。「何を間違ったのか」「その原因は」「裏に隠されていることは」と絶えず追求するべきなのだと思います。そこには広い視野を得られるチャンスがあります。http://m-ohtake.blog.ocn.ne.jp/mohtake/cat10563333/

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