あるピアノの先生の話を人づてに聞いた

先日、あるピアノの先生の話を人づてに聞いた。「生徒のコンクールの課題に出ている曲の、弾き方がわからない」ということだった。作曲家も知られていないし、検索にも引っかからない。
私はその楽曲の譜面を見せてもらった。タイトルもあり、舞曲であることもわかる。おおよそロマン派であることも検討がついた。
ピアノ教育界では「自分で考えて弾き方を探り当てる」ということが弱いように思う。先生のもとで習った曲や、講習会で勉強した曲を「先生の言った通り」にしか考えられないのは、どんなものだろう。
指導の姿勢の問題もあると思う。
たとえば「テンポを正確に」弾くように注意する場合「テンポを正確に弾いたら、曲がどのように変わってくる」ことまで説明できるだろうか?「古典派だからテンポを正確に」というのは、実に浅い考え方で「聴くものに訴える表現方法」へとつながっていかない。(そもそも「古典派だからテンポを正確に」というのも、ステレオタイプな考え方で、私は表現を狭めてしまう文言だと考える)
テンポを正確にすることにより「曲の周期がはっきりする」「リズムの躍動感が聞こえてくる」「安心感、安定感を感じる」「場合によっては強迫感を感じる」など様々だろう。以前、ドビュッシーの「月の光」をレッスンした時、「ゆるくでいいからテンポを正確に」と指示したところ、小節の1拍目にあったバスの音のつながりがわかり、音楽の方向性がよりはっきりしたことがあった。
「ペダルを踏む、踏まない」もよく問題になる。「書いてないから踏めない」ではなく「どのような響きを求められているのかペダルをどのように踏むと書いてあることが生かされるのか」を考察、実践し、最も良い方法を考えられないものだろうか?
曲の「構造を見抜く力」を持ち「より豊かなものを引き出す」ことが、新たな譜面を見せられた時にできるだろうか?
また、生徒がそのような力をつける方向に導いていきたい。

「習ったもの、聴いたものそのもの」しかできなかったら、それは「自分たちの文化」にはなりえない。

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