ピアノレッスン「正しい薬」を与えているか?

先日、大学でベートーヴェンのピアノソナタ第9番をレッスンしていました。問題は第3楽章のこの箇所です。

右手の三連符が、きちんと弾けていませんでした。それでなんとなく全体が傾いているように聴こえました。普通だったら「右手を鍛えなさい」というところですが、私は左手のユニゾンと休符に注目してみました。「左手、休符をまたいで長いフレーズのように感じて。休符のときに気を抜かないこと」を指示したら、右手がかなりきちんと弾けるようになったのです。
これは魔法でもなんでもなく、そもそも全体の枠組みがきちんと把握、理解できたら、細部の三連符も安定するということです。左手がきちんと休符も含めて弾かれることによって、全体の大きな枠組みがはっきりしてきます。それで、三連符も安定して弾けるというわけです。

ここで思わず「かわいそうなこと・・・・・・」という言葉が出ました。

このような事態のときに指導者が「指をもっと強くしなさい」ということを言って、生徒がやってみますがうまくいかないので(本当の原因は違うところにあるのだから、うまくいくはずがない)ますます指の強化に取り組む、それで、ただ単に指は強くなったが「鍵盤の芯にぴったりピンポイントで当たらない」タッチを作られてしまった人を、何人か見たことがあります。(その結果、生徒が先生に「あなたはできない」ということをいわれ続けた、という事態も知っています)
つまり、「医者が原因を誤ったために、違う薬を飲まされた」ようなものです。
もちろん指がしっかりしていないから、このような事態になることもあります。その違いを、指導者はレッスンの現場で見極めなければいけない。
プロは本当の原因を見極めなければいけない。もちろんこのような判断が、簡単ではないことは百も承知しています。以前にもこのようなことがありました。この例からも「初歩の生徒」でも、いや初歩の生徒だからこそ問題になる事態であるということは言えます。私自身もよく迷ったりします。そのときは「一緒に考える」という立場をとります。
だから、「自分が演奏する場を持つ」ことや多くの視点を持って生徒の演奏を聴くこと、「日々、考察、実践する」ことは、どうしても必要なのだと思います。生徒に「間違った薬」を飲まさないために。
他にも 参照1 参照2 参照3 参照4 参照5
もご覧ください。
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