ピアノレッスン:ミスタッチ?

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私はあること注目してみました。まず何でもいいから今弾いている曲を用意します。そして、鍵盤ではなく、ピアノのふたを閉めて、リズム打ちをやってみるのです。そのリズムの音は「生きて」聴こえましたか?
以前にも触れましたが「リズムは叩き方の緩急、つまり、手指の緊張と弛緩、またそのタイミングによってリズムとして聴こえてくる」ということです。
さて、こうすると少し見えてきます。「たとえ隣の音を叩いても、リズムの動きと流れが成立しているので、音楽は滞らずに進み、流れや動きが感じられる」ということです。
ここで、もし演奏者が「間違えないように」という注意を入れると、その注意によってリズムの持つ「緊張と弛緩のタイミング」を分断あるいは崩してしまうことがあります。「間違えてもいいから思いっきり弾く」を分析すると、このような「曲のリズムと、それが持つ緊張と弛緩の交代」によって、たとえ隣の音を叩いても、音楽が流れるという仕組みが見えてきます。
さて、もうひとつは、曲の中にある線をはっきりと認識し、それを丁寧に書いていく。すると、「たとえ一つ欠けても、欠けたものを補って感じる」人間の認識はそのようなものです。
つまり「間違ってもいいから、思いっきり弾く」には、リズムと線をはっきり示すという、音楽的に前向きな理由があります。

その一方、間違えないための考え方も必要です。
技術的な問題
ミスタッチということは、手のポジション等が、物理的に不安定だから起こることだといえます。つまりその「物理的な不安定さ」を取り除くことによって、かなり回避できると考えられます。
不安定を起こすのは何か?
1.過重なタッチ
鳴るべき音とタッチの強さがつりあっていないとき、つまりそのタッチの動きが「漏れて」しまったときにその「漏れた分」が不安定を作ります。
2.手の移動の問題
手の移動と、タッチそのものとはまったく方向が違う。よってこの2つは原則的に分けてしまわないと、物理的な不安定要因になる。

つまり、演奏時に2つの必要な動きが問題になってきます。
1.打鍵のための運動
2.手のポジションの移動
「音から音へ」滑らかに推移するために1の運動が必要なのですが、それは横方向の運動であり、もし安定した打鍵を得られるには、この2つは分けなければいけない、ということです。往々にして、打鍵の動きが大げさすぎて、手のアンバランスを招いたり、タッチの「盛れ」を出したりすることは多いようです。


指導者は、なるべく早い段階、譜読みの段階で、次のように導くべきです。


後からとってつけたようなことでは、仮に正しい音を弾いても、よい流れは得られません。


つまり、図1を楽譜から自分の中に取り込んでいるかが問題です。いうまでもなく図2のような「あとから」は不自然になりやすい。ですので、間違いを直すときには図2のままではいけない、図1のような自然な流れを、音楽的にもテクニックの上でも、曲を見始めた初期の段階、とりわけ譜読みのときに取り込む必要があります。

私は、指導のそれぞれの段階で、「ミスタッチをしない」ことよりも「テクニックとしても音楽としてもよい流れを作る」そして、その中で自然とミスタッチが減っていけばいいもの、と考えています。
ですから私は、レッスンの中では「ミスタッチ」という言葉を極力使わないようにしています。ある「マイナスイメージの言葉を使わない」ということは、単にその言葉を使わないだけでなく、それを超えた豊かな表現の方法や可能性を提示することが、指導者に求められます。これは指導者にとって苦労の多いことですが、芸術的な発展の可能性のある、豊かな考え方だと思っています。
たとえばスケールを弾くとしましょう。

これを弾くのに、指導者が生徒に注意を与えます。
つ一つの音の粒をそろえて、上行は cresc. で、下行はdecresc.で
ていねいにだんだん膨らんでいって、頂点からだんだんきれいにしぼんでいって
この2つ、どちらが弾きやすいか。またどちらが「豊かに」響くかです。

最後に大切なことは
、レッスンや発表の場を通して「ミスタッチしない」とか「間違えないで」という言葉を極力使わずに
生徒を導くか。だと思っています。「ミスをする⇔しない」の間を行ったり来たりするのではなく
「より良い表現を目指す中で、そのようなミスが自然と減っていく」のが理想です。
指導の中のそれぞれの段階で、様々に注意を向けることが求められていると思います。
私自身も、なかなか実現できないのですが、頑張っていきたいです

参照1 参照2 参照3

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