今回のCD ・シューマンについて

Robert_schumann_1839 今回のCDは、私にとって2枚目のものです。
1枚目のCDは、1997年12月の「バッハ・リサイタル」をCD化した、完全ライブ録音でした。今回は、㈱ハーモニーのスタッフとともに、セッション録音としてじっくりとCDを製作してみよう。そのような意図で作りました。
収録は、9月14日、15日の2日間、東京・東大和市のハミングホールのスタインウエイを使って行いました。ライブの演奏と違い、一曲一曲立ち止りながら、考えながら収録するのは、初めてで戸惑いもありましたが、皆様に聴いていただけるものができたと思っています。

今回は、シューマンを取り上げました。今年2010年は、シューマン生誕200年です。200年前の1810年、この前後には、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リスト、といった、ロマン派の巨星たちが生まれています。彼らは互いに関係を持ち、評価しあいながら音楽活動を行いました。その関係は、いつも良好というわけではなく、ある面は評価し、ある面では非難するといったことも多いようでした。
彼らの中で、シューマンは「評論」に力を入れた音楽家だと言えます。自身で音楽雑誌を立ち上げ、筆をとり,同時代の演奏や作品、過去の作品や演奏、これからの音楽の在り方などを考え、文章で表明していきました。中でもショパンに対する評価は絶大なものでした。「諸君、帽子を脱ぎたまえ! 天才だ」と切り出し、『ラ・チ・ダレム変奏曲』(モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の2重唱「お手をどうぞ」による)を紹介した文章は有名です。シューマンはこの曲を大衆に分かりやすくするため彼の想像で場面を設定し、オペラのストーリーをあてはめました。
ところが、ショパンはこの評論を一笑に付しています。
リストによると、ショパンは「大衆でなく、一部の人たちに語りかける」演奏だったといいます。ショパン自身「音楽が聴き手の心の中で育っていけばそれでいい」と言っています。これは「大衆に理解してもらう」より「わかってくれる一部の人でいい」という姿勢です。
「大衆」に向いているか「わかってくれる一部の人」に向いているかが、シューマン、ショパンを読み解くカギになるように思います。それが曲の内容まで深く立ち入っているように思われます。使用した楽譜です

演奏会の予定 

11月2日 午後5時 大阪音楽大学ミレニアムコンサート 無料

12月4日 午後2時半 井植記念館 俣野ゆみ (ヴィオラ)

12月11日 午後2時 大阪府和泉市 久保惣記念美術館 招待券あり

(12月4日、12月11日ご希望の方は メールください)

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