前後のまとまり・言葉と対応して考える

Photo インベンション第1番をいじくってみました。おそらくこの譜面を演奏すると非常に奇妙に聞こえます。ところが、線を入れたところから演奏すると、単にト長調に移調したものとしか聞こえない。変には聞こえないでしょう。これはどういうことか考察してみます。。
つまり「耳に直前の音響が残っている」ということです。
実は音楽を聴く時「前後をひとつのまとまりとして認識する能力」というものが働いています。インベンションの場合、Bが弾かれるときAの響きが通常心の中に残っています。「ハ長調」の響きの中で「5度上」のテーマを聴いています。つまり「音が消えてもハ長調の響きは残響として心の中にある」ということです。
ここで、文章について考えてみます。もし、①のようにバラバラに頭に入り、瞬間瞬間の音響としてしか認識できなかったら、言葉は理解できません。②のように文節を一緒に記憶し、前後関係を処理してはじめて「文章として」理解できます。もし人間が①のような能力しか持たなかったら「人間にどのような言語も存在しない」はずです。
さて、音楽の問題です。譜読みの時に①のように弾いていないか。インベンションでいうと、譜例のような認識の仕方です。これは何度やっても「音の切れはし」を「連続して叩いている」という状況にすぎない、いってみれば「モグラたたき」です。
教師は必ずこの点に注意すべきと考えています。「この認識の□の大きさはどのぐらいなのか。また□は正しくかけられているか」注視すべき大切な事項であり、絶対に飛ばして次へ行ってしまってはいけない。ですから「譜読み」は、単にそれぞれの音符のなどでなく、「□の関連性」など音楽の内容に深くかかわってくるはずです。
①の読み方はかなりの問題です。しかし楽譜を読むというのは「日常生活では行われない」作業なので、文章のように楽譜を読んでいくことは、後天的に意識して行わないと身につかないことでしょう。
教師は「楽譜を文章のように読んでいるか」を絶えず気をつける。聴き分け方は非常に簡単です。この文章を読んでいる方のほとんどは「日本語が母国語」だと思います。日本語の場合「意味を認識して話している」か「ただ発音だけ覚えている」かの区別は対外つきます。
音楽も、同じような感じです。何も言わなくても「イントネーション」を自然につけようとしていたら、たいがい認識しています。

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