合奏をもとにしたピアノ演奏のモデル・レッスンについて

1 Photo 前回、「合奏をもとにしたピアノ演奏のモデル」を発表しました。たしかにそれぞれのパートが「自立・自律」して「自ら発信」する力を持たない限り、良い演奏ができないし、正しい楽曲の解釈も不可能である。という結論に達しました。
ピアノに限らず「鍵盤楽器」全般は「合奏の模倣」である。これは動かせない事実なのですから「合奏と同じ思考方法」は「必須」なのです。
さて、普段の練習やレッスンでどうすればそのように「自立・自律」して「自ら発信」する。つまり「考え、聴く手」「歌う指」になるかです。これは練習時「教え込む」しかないと思っています。これは難しそうですが、「注意の仕方」によって得られる可能性があります。「バッハ・インベンション」などが一番適した教材と言えます。楽曲の「個々の音の状態を変えようとする」注意から「お互いの関係性について」注意をすることです。これは「先生が生徒に」でもありますが「演奏者が自分自身に対して与える」ことでもあります。
具体的な例です。
〇バッハ・インベンション第7番
譜例Aについて。「①堂々と弾きなさい」とよく言います。「そのことによって右手の②を引き出すように弾く、また、右手は左手の合図を待ち、よいタイミングを狙う」
譜例Bについて。「トリルは静かに弾きなさい」ではなく「ここは左手の聴き役だから右手は左手を気遣って弾くといい」などです。
このように「お互いの手のやり取り、関係性を考える」ことによって「手が自立・自律」していきます。ここで「インベンション・シンフォニア」の重要なポイントもわかってきます。つまり「合奏」を「一人でする」ことなのです。そう考えて「インベンション・シンフォニアの序文」を読むと、深みが増してきます。
実は先日、友人宅でのサロンコンサートの余興に「ヴァイオリンとチェロ」で、インベンションを数曲弾いていただきました。その時、お互いの奏者が何を考えたかが重要です。お互いの音楽的な気遣い、つまりそのようなことを一人の中で行うのです。
〇ショパン ワルツ ロ短調
バス音が独立し、メロディーと対応しています。バス音があるから、右手のシンコペーションがそれとわかり、跳躍もバス音とともに生きていることがわかります。この場合、左手も2つのグループに分けられ、それぞれが独立し、周期、リズムを持ちます。これをひとくくりにすると1小節に3回バウンドする「かっこ悪い」演奏になると思います。このように「手の分割、再編成」が必要になってきますがこれは稿を改めて論じたいと思います。ショパンのワルツのように「メロディー、伴奏」という形のものでも、はっきりとこのモデルは必須になっていると考えられます。
片手だけの練習については、以前述べたとおりです。「もう片手」のことを考えて練習することは必須です。⇒こちら

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