数え方・・・・

先日の考察から新たなことが出てきました。「数え方」の問題です。
ここでショパンのワルツの左手パートを、2つに分けてみました。

a, bそれぞれ、数え方が違っていることが感じ取れます。この「違うこと」を左手の中でやらなければいけない。aのパートをヴィオラで、bのパートをチェロで弾くと考えてください。aのパートは1拍目を幾分慎重に構えて2,3拍を丁寧に弾くでしょう。bのパートは、1小節内の「1,2,3」ではなく、1小節を一つに捉えて8小節までゆったり数えるでしょう。
さて、ここから私は新たなことを考えました。ひょっとすると、西洋音楽の数え方は、よく言われている「強、弱、弱」的な数え方ではないのではないだろうか。図のような「次元の違う多重的な」数え方が重なっているのではないだろうか

それぞれの次元の違う数え方の、強さや柔軟さなどによって、曲の表現の仕方も変わってきます。たとえば、小節内の拍数を意識して数えると、細やかな、あるいは神経質な表現が出てくるでしょう。小節数だけを主に数えると、おおらかな表現、ゆったりしたフレーズが出てくることが考えられます。これらの様々な数え方は、それぞれのパート別に割り振られることも考えられます。このように、数え方を多重にすることによって、様々な可能性が出てきます。
もちろん「多重的」であるから、2つとは限りません。さまざまな単位の「数え方」が曲の中で「同時進行」しているはずです。もう一度、ペッツォルトのメヌエットをご覧ください。小節内の「1,2,3」小節そのもの、さらに2小節や4小節でひとまとまりなど、様々に考えられます。

「音楽」が、平面にあるものなのか、あるいはいくつもの立体的なものが様々に重なって構成されているのか。また、受け取る私たちにとっては「現実を自分が動かずに、自分のせまい理解の中に押し込める」のか「観察を受け入れて視点や立ち位置を変え、様々な見方でものを見る」のか,の違いがここにはあります。

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