PTNAステップの演奏前に「間違えないで弾きたいです」「強弱をつけて弾きたいです」というコメントが多かった

先日、PTNAステップのアドバイザーをしてきました。

演奏の前の演奏者のコメントに
「間違えないで弾きたいです」参照1 参照2 参照3 参照4
「強弱をつけて弾きたいです」参照1 参照2 参照3 参照4
というのがなんだか多い、(ということですね。大政先生、ご確認をお願いいたします
これは「こういうのって、普段、指導者がレッスンのときに言っていることなんだよね」(と私のせりふ。これも納得!)
おそらく、楽曲の譜面を見始めてから、どのように楽譜を見て音にして組み立てていって、演奏するか、の過程で「指導者が何を考え、何を聴き、何を指摘しているか」ということが、演奏前のコメントに集約されているのだと思います。「ピアノを習っている、教えている」という全体の中での問題ではないでしょうか。

本題はここからです。
これで終わりにしては、発展も何もないです。私はこれを見過ごすことはできません。具体的な「行動」として変わっていくことがなければいけないのではないでしょうか。
普段レッスンの現場で指導者が生徒に言っていることが、ステップ演奏前のコメントに出てしまう。これは間違いないでしょう。ということは、普段のレッスンで、指導者が生徒の演奏の何を聴いているのかということ。
「間違いなく弾く」にしろ「強弱に気をつけて」にしろ、そればかりになるのは「生徒の演奏からそのこと、その項目ばかりしか聴いていない」ということにならないだろうか?
「間違いなく弾く」
書いてある音符を順序良く叩く。ドならドが出ている、ということしか聴いていない場合。とくに「譜読みの期間」に、ただ一つ一つの音をひろって叩く。この繰り返しできた場合。
たいてい一通りだいたい音が並んだら「強弱をつける」に進むのかな?
「強弱に気をつけて」
この問題は指導者に「強弱」以外にピアノの音を語る言葉がない、ということはピアノの音を「強弱でしか聴いていない」ということなのではないでしょうか?
この線で「まあまあ何とか聴ける」という演奏。

もっと譜読みのときからフレーズ、歌い方、ハーモニーなどにも気を配り、テンポやリズム感も考え「全体と部分」を見失うことなく進めていくと良いと思います。とくに、経験の浅い人は「目の前のこと」だけにとらわれがち、だからこそ指導者は「曲の全体像」をいつも気にしつつ「譜読みの段階」をやっていきたいものです。たとえば、いくつかの音符を生徒が読んだら、それを旋律や和声としてまとめて響かせる。また、前読んだ部分とあわせて、和声の変化や旋律の動きなどを感じさせつつ、音も選んでいく。

ところで、やはり「間違いはないほうがいい」ということは確かです。3つの視点から考えてみました。。
「楽譜の読み違い」
これは「譜読みで音楽を読んでいるだろうか?」ということ。とくに「ハーモニーの推移」ということに目が行きにくいことが多いです。転調の導音のための臨時記号は、ただ正しく読むだけでなく、曲の転回点としての理解が必要。ただ「間違いなく弾く」のではなく、響きの移り変わりを理解して譜読みをしていく。このように考えるとおのずと「間違えずに弾きなさい」というレッスン中のせりふは減っていきます。

「テクニック上での問題」
間違った音それ一個をを正しい音にするよりも、一連の動きの流れを作っていくことが、大切だと思います。テクニック上の流れ、よい(その生徒の手にあったという意味も含めて)指使いや正しいフレージング、「手指の所作」を考えていけると良いです。無理に「一音だけを狙って正しくしようとする」のはある瞬間に多大な力がかかります。音楽的にもテクニック的にも「動きの流れ」を作っていく必要を感じます。
また、鍵盤に過重な重さや動きをかけると、タッチそのものが不安定になってしまうことが多いです。その場その場に応じた適正な鍵盤への動きが必要です。
テクニック上、流れを阻害する要因で多いのが「1の指」がスムーズに動かずに、手を不安定にさせてしまうことがあります。このほかにも「テクニックの流れを阻害する原因」はありますが、指導者が絶えず注意することだと思います。

「暗譜の問題」参照1 参照2 参照3
これは、曲の理解のしかたということがあると思います。楽曲には幾重もの「まとまり」があります。一拍、一小節、一フレーズ、形式としてのまとまり、楽章としてのまとまり。それらのスパンをそれぞれで意識すると、違ってきます。

いずれにしろ、これを「問題意識」として捉え、どうすれば「自分たちの音楽」として演奏ができるのかを、それぞれの立場で考え、実行していく必要があることはいうまでもないと思います。
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PTNAステップの演奏前に「間違えないで弾きたいです」「強弱をつけて弾きたいです」というコメントが多かった” に対して2件のコメントがあります。

  1. ピアノママ より:

    Unknown
    はじめまして。
    小5の女の子の母です。
    まさしくPTNA真っ只中で、心身共に疲れはてております。先生のブログは初めて拝見させていただきました。とても興味深いものばかりで楽しかったです。いつも娘の練習に付き合ってアドバイスをしついるうちに、ドンドン熱くなってしまい、時には娘を泣かせてしまうこともあります。とても自己嫌悪になります。ただ、娘のピアノが本当に大好きで娘のピアノが私の生活の大きな1部になっている事は間違いありません。ただ、たまに我に帰り、何の為に娘にピアノを始めさせたのか?何でこんなにも感情的になってしまうのか、本当に悩む日が多々あり、本心では娘と楽しく練習をし、娘と私の目標に近づければ、と思っているのに、私のエゴになっていないか、と娘に尋ねたこともありますが、娘はそんなんじゃないよ!と答えます。
    コンクールが近くなってくると、毎回このスパイラルです。(涙)
    どうしたら、冷静にアドバイスしてやる事ができるでしょうか?出来る時は出来るのに、1度火がつくと、なかなか冷静にアドバイスしてやれません。あぁ、自己嫌悪です。

  2. 大竹道哉 より:

    子供は子供の・・
    「舞台に出たら幼稚園児もポリーニも一人の人です。親だろうと先生だろうと何もできない」のですから、「子供の演奏は子供のもの」です。ですから、それをよく自覚することは、最も大切なことだと考えています。ですから「みんなの前で堂々と一人で弾いてくる」だけでもすごいことなんです。そう思うと、距離が取れたり、客観的にみられるようにもなると思います。

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