よくあること
ピアノのレッスンで、行き詰った生徒の相談を受けることがよくあります。これらの多く、というよりほとんどが、「指導者が、生徒が理解しないまま、様々なことをさせている」ということにあるようです。
事象として
・そこにありえない音を弾いてもまったく気にならない。
・リズムや拍子がおかしくなって、つじつまが合わなくなっても平気で弾く。
・弾き方が単調で、表情がない。
などがおきてきます。
これは、もう本当に大問題・・このことは、今まで何度もこのブログで問題にしてきているつもりです。
つまり「本人が弾いている音について、判断をしていない、あるいは自覚がない」から起こることです。
「ピアノから出てきた音は、本人の意思とは何の関係もない」状態だといえます。
これは、指導者がレッスンで生徒の演奏にどのようにアプローチしているか、の問題です。
リズムがおかしくなって拍子が乱れる場合、単に小手先でそこのリズムだけを正しくして、前後の自然な流れに注意が向かなかったとすると、それは単に生徒にとって「言われたからそのようにした」だけのことです。これは「間違えた音を正しくする」のでも同じです。ただ「いわれたからGではなくGisを弾く」のではなく「Gisを弾くと、どのような響きになるのか実感」するのが、本当のありかたです。
1.ただ言われたからそのとおりにする、というのは、本人にとって「ただ命令のとおりに体や指を動かしている」に過ぎない。これは、自分ひとりと楽譜になったときに「ピアノを弾く音楽的なモチベーションが存在しない」ばかりでなく「演奏を聴く」ということ自体にも多大な影響があります。これは「ピアノを弾く行為が音楽行為ではなく、命令に従っている指の動作」に過ぎない。
2.本人が理解するのは「正しく弾くのはよりよい音楽を求めている」からで、より音楽に対して積極的に表現する可能性があります。
この2つは180度違います。
頼むから指導者は
「生徒本人の理解を放っておいて、ただ形だけ生徒にやらせる」危険に気がついてください。
その行為は音楽とは何の関係もない「命令と服従」以外のものにならないのですから。
「結果を急ぐあまり」このような状態になることは理解できます。また、多くのピアノ講師のおかれた立場から、わかっていてもなかなか、ということもあると思いますが・・・・
「理解をほおって置いて形だけやらせる」場合、続けていくと必ず破綻します。この破綻の時期で多いのが「バッハ、インベンション」あたり、学年では、小学生高学年から中学生になるころです。このころピアノをやめていく子供が多いのは、単に忙しいからばかりではなく、本当はここにも原因があるように思います。(インベンションには、「やらされている」ピアノの弾き方では、つまらなくなるようにできているのです。曲にそのような仕掛けがあります)
モチベーションをどのように考えるかです。「他人が褒める」ことを最終的なモチベーションにすると、ある時にモチベーションは、ぱったりとなくなってしまいます。コンクールなどは「モチベーション」のきっかけになるので、いい点はあるのですが、指導の中で「音楽の中にあるモチベーション」つまり「よい音楽を探して見つけ、それを味わう」ということを指導者が忘れてはいけない。また放棄してはいけないとおもいます。
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