ヴェーベルンのピアノ曲全集 2011年7月発売
・「ヴェーベルンのピアノ曲全集を出版したいので、校訂、解説をお願いしたい」そのような依頼を、今年2月に受けました。初めての仕事でしたので、迷いはありましたが、受けることにしました。
ヴェーベルンは、新ヴィーン楽派の一人で、ミニチュアール(極小形式)の曲を残した、そして現代音楽にインパクトを与えた作曲家として知られていますが、同時に音楽学者、指揮者でもありました。
・彼が出版した作品は数少なく、作品番号は31までしかありません。それ以外のものを合わせても、CD6枚分(収録時間が短いCDもある)です。ピアノ曲では「変奏曲 作品27」が作曲者により出版されており、この曲は、リヒテルや、ツィメルマンによっても演奏されています。
・彼は曲に「長さ」や「量」は求めませんでした。熟考し厳格な秩序に従った音符を五線に記していき、そうでないものを五線から消していきました。そしてさらに「豊かな音楽」として空中に響くと考えたものだけを残ました。そのように高い理想を追い求めていった結果、彼の出版した作品の数は大変少なく、1曲1曲の演奏時間も短くなりました。
・校訂、運指などを行っているうちに、彼の作品は「無機質」ではなく、「豊かな感情表現」で、「身体行為」としての演奏が必要なのだ、ということが明らかになってきました。
・まだまだ至らない点もありますが、「古典派~ロマン派の伝統を継承した音楽」ということを記述しました。よろしくお願いいたします。
師匠校訂のヴェーベルンの楽譜発売
師匠が校訂したヴェーベルンの楽譜が近日発売されます。 ヴェーベルン/ピアノ作品全集 ここ数ヶ月、レッスンに行くと毎回、部
リヒテル&マゼールのバルトーク:ピアノ協奏曲第2番/プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第5番
この演奏を基準にヴィルトゥオーゾを設定すれば、クリアするピアニストなど一握りにも満たないだろう。