ピアノレッスン・ステップアップした時によく起こること

こんにちは。
明石市魚住の大竹ピアノ教室の大竹道哉です。
本日もブログを発信していきます。

6月23日㈯　14時・16時開演　新大阪　B-Tech　Japan　残席あります
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コンクールの課題曲などで、小学生高学年ぐらいになってくると、いわゆるコンサートレパートリーの一部が出てくる。ピアノリサイタルなどで、プロの演奏家がコンサートに普通に演奏する曲と思えばいい。彼らのCD
も容易に見つけることができる。
例えば、バッハのフランス組曲、スカルラッティのソナタ、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンのソナタや変奏曲、シューベルトの即興曲、ショパンのワルツやマズルカ、メンデルスゾーンの無言歌、ドビュッシーのアラベスクや子供の領分、バルトークのソナチネやルーマニア民俗舞曲、まだまだたくさんある。僕もよくこれらの作品を弾く。

これらの曲は「子供のために（子供が弾くために）」という文言がない。ブレンデルのような巨匠がシューベルトの「即興曲」を弾くために己の音を磨いているような作品だ。表現に際限がない。

基本的に「子供のための」といったときに、作曲家側が「本当はこのようにしたいんだけれど、ここまででとどめておこう」という配慮がある。だから、演奏時に多少の不正確さやあいまいなものが入っても、楽曲としてなんとか成立できる。また、ハーモニーの意識などが欠如してても、演奏に奥行きがなくても、なんとなくメロディーの流れなどで、そこそこはきれいに響くようにはできている。

ところが、上記の作品は、そのような「配慮」は一切ない。これは表面上は見えにくい。ざっと楽譜を見て「音符の並びや数、メカニック上のむずかしさがない」これに要注意「たまたまなかった」のか「あえて避けた」のか、上記の作品は「避けた結果」ではない。
つまり、音数が少なくても、少ないからこそそれらに込められた「音の意味」は、もっとメカニック上難しい曲と何の変りもない。単に「伴奏を静かに」だけで弾いていると、ハーモニーが響いてこなくなり、カデンツの展開が聴こえずに空虚に響いたりする。

子供たちがいきなり「芸術の厳しさ」の中に放り出されてしまう。一つ一つの音の重みが違うのだ。
「リストのソナタ」や「ベートーヴェンのワルトシュタイン」「シューマンのクライスレリアーナ」を弾くのと同じぐらい「本当は難しい」

でも、その「本物」に出会うことこそ、ピアノをやっていてよかった、と思うところではないだろうか？

さて、問題は「子供のために（子供が弾くために）」が取れた時に起こる、様々な問題にどのように対処するか？
ただ「音だけ並べる」譜読みや、練習途上のテクニックの不正確さや音楽の様々な要素の読みの甘さが、曲の成立を簡単に妨げてしまう。だから、指導者にかなりの配慮が必要だし、指導者が「そのレベルの楽曲の演奏」をして、その難しさの解決方法を「自身がわかる」ことが求められる。このレベルだと基本的に「指導者はそのレベルの曲を弾けないのに、教えることだけはできる」というのは無いように思う。

生徒の音を聴き逃さないこと、音階やハーモニーに意味や方向を絶えず感じること。これらを譜読み段階、ゆっくりの練習や形を変えた部分練習の時も考慮に入れること、様々な練習の時に「完成した演奏」につながるかどうかを、絶えず考えること。などがあげられる。ピアノに向かったとき、油断はできない。また、ピアノから離れた時に、頭の中で「次に弾くときの目標」などを考えることも大変有効だと思う。

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