インベンションが基本であることを・・・・・

インベンションが基本であることを「楽譜の読み方、とらえ方」から指摘できないだろうか?そう考えてみました。
以前、インベンションをパートごとに書き分けたときに気が付いたのですが、ピアノの人は往々にして楽譜を「上下」に読むことがあります。

たとえば、レッスンでこのような先生の注意事項があったとします。
「まず、左手のソシレと右のレをいっしょに」①
「右のシのところで左手ラ」②
「右手レのところで左手シ」③
とやっていったとします。楽譜の見方は、この赤い線のとおりになります。これは、旋律線やバスの動きが分断されてしまいます。譜例A

しかし、パート譜で演奏する各楽器の人は楽譜を「横に」読みます。本来、次のような二重奏が基本だとすると、二人の人が横の線を気をつけつつ、縦が合うかどうかお互い気遣うわけです。譜例B 

それぞれのパートが「意味のあるまとまり」を見据えて演奏します。譜例C

さて、インベンションの構造は基本的に左右対等です。譜例Dのような思考方法、形態では、わけがわからなくなってしまいます。譜例D
このように「複眼的に」注意を運んでいくとつながります。譜例E
スコアにすると

パート譜だと

複眼的な思考ができないならばならば、「メロディーと伴奏」という様式の作品を、伴奏を「静かに弾く」ことに徹してしまうといいかもしれません。譜例F

一応きれいだと思います。
ここで問題になるのは「無視」された部分のことです。無視された部分は、ハーモニーという重要な役割を担っています。
さてここで、ハーモニーについて考えてみます。一つの和音は前後関係がないと、役割がはっきりしないはずです。

これは何の和音でしょうか。ついつい、ハ長調のIの和音と答えてしまいますが、ヘ長調の:Ⅴだったりト長調の:Ⅳだったりしないでしょうか?

一つの和音はこのような前後関係があって、初めてハーモニーとして立っているわけです。つまり「ハーモニーはハーモニーで、時系列を追わないと意味をなさない」つまりハーモニーも「横に見ていく」捉え方が必要です。
そうすると、どうしても次のような思考形態が必要になります。譜例G
そういうわけで「インベンション」を理解できるようになることは「複眼的な音楽の捉え方」を訓練することにほかなりません。よく言われる「インベンションが面白くない」というのは「インベンションを受容する状態、つまり複眼的に音楽を受容する状態になっていない」ということかもしれません。
またその場合、多くの楽曲の「ある面」を無視し、その部分を受容していない可能性もあるということにもなります。ハーモニーが捉えられないと、転調する曲などはアウトです。なぜならハーモニーがあってその展開、時系列の進行によって、はじめて転調ということが出てくるからです。
インベンションは、2つの声でありながら「ハーモニー」を形成しています。譜例H
これらのことから「インベンションに入る前から、複眼的な音楽の捉え方」へと導いていく、というのが「初歩の指導者」に課せられた課題ということになるのではないでしょうか?

インベンションを読み解き演奏するということは
・複数の「パート譜」を同時に読んでいく
・その互いのパートの関係性(ハーモニー)を感じ取っていく
・合奏の模倣としての鍵盤楽器学習である
・インベンションの楽譜の読み方が、多くのすぐれた作品の読解、演奏に応用の可能性がある
・「インベンションが理解できる楽譜の読み方」というのがピアノ(鍵盤楽器奏者)にとって必須のことである。
当然、平均律クラヴィーア曲集は、この延長上にあります。

初歩のピアノの学習で気をつけなければいけないことは、譜例Aや譜例Dのような楽譜の読み方をしない。させないということです。この様な楽譜の読み方には、そこから先がありません。混乱があるだけです。

ショパンは「平均律クラヴィーア曲集」をいつも学んでいた、と伝記には書いてあります。しかし、インベンション、シンフォニアからの影響もかなり多いです。(これは私がこれまでくどいほど指摘してきたことです)ショパンにとってもインベンションの延長上に平均律クラヴィーア曲集があったのだと想像できます。
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1を教える場合、それが2.3.10へとつながっているかどうかは、指導者にとって重要だと思います

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