ベートーヴェン:ピアノソナタ 第14番 第1楽章 技術上の問題

譜面を並べてみました。そこからパート譜を起こすとこの3つ「ABC」になります。それぞれのサイクルが違います。弦楽器で演奏することを考えると「弓の運び」が違うと言うことです。特に問題になるのは「AとB」です。この二つの違うサイクルを持ったパートを右手だけで演奏します。
Aだけを弾いてみました。これだけ弾くのでしたら腕からゆったりした動きを鍵盤に伝えて、大きなフレーズを作ります。→動画1Bだけを弾いてみました。ここで問題になるのは、1の指です。小さい細かい動きをタッチとして使い、三連符のグループを大きいまとまりまで作っています。1の指を「独立させて」弾きます。→動画2
次は、よくある1の指の悪いパターン。この場合1の指が強くなる場合。あるいは手の甲を巻き込むために他の指が転ぶ場合があります。またこの弾き方ではAとBを合わせて弾いたときにかなりの不都合がでます。→動画3
1の指を手の甲とは別にゆっくり動かすようにおろすことが求められています。手の中の柔らかさは三連符を、腕は大きなカデンツのまとまりを感じるといいです。→動画4
Aは本来「腕からゆったり」弾きたいところ、その動きを「5の指を根本からゆったり動かすこと」により「腕からの動き」を代用します。ここで、1の指による手の甲の振動は、あってはいけない。これだけ繊細な動きの中で、少しでも別の方向に動きを与えてはいけないことになります。→動画5
さて、次が問題「AとB」を合わせます。ここで私は、2の三連符を「指を短くして」弾き、1の外声を「指を長くして」弾いています。→動画6
「響かす音の分量」により「指の長さを変えてタッチする」方法は、大変おすすめできます。片手で二声を扱う場合など、このような方法を使うと、どちらにも表情があり、なおかつ「指の長さの違いにより違うサイクルが表現できる」ので、音がかち合わないです。→動画7これらの「演奏に必要な動き」を読み取るのは、私は「譜読みの延長」と考えています。つまり「その箇所その箇所音名だけでなく必要な音の長さ、質を読み取り、それに必要なテクニック(どこを何のために動かすか)を考えていく」これが理想のあり方ではないかと思います。

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