ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番 パートに分けて見えてくること

先日の、ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番 パートに分けて見えてくること。各パートがそれぞれ何をしているか。ただ「ピアノを弾いている」ときに「見えにくかったもの」が「見えてくるか」またそれが「実際の演奏」に変化をもたらすかどうか。より立体的にベートーヴェンが立ち上がってくるかどうかである。各パートごとに考察を重ねていこう。
まず、バスパートについて
このパートは、1小節ごとにうちならされているばかりでなく、タイでつながっているように考えられる

Bフラットの音がⅠの第2展開形とⅤの7の和音を支える。オルガン点である。つまり5の指で弾かれるこのバスは、4小節続くバスのオルガン点と、一小節ずつ打ち直されるサイクルとの両面を併せ持つ。
内声にはこのようなパートも潜在的に鳴っている。このパートは、オーケストラに変換したときに必ず書かれる。


内声に目を転じてみると、四分休符を忘れてはいけない。これを感じると、内声が引き締まり、
緊張感のある音になる。この休符は
それだけでなく、ハーモニーが4小節単位で動く。細かいリズムと大きなサイクルの両立がここでもある。しかし、バスと一緒にというわけには行かない。


全パートを書き出す。上2段がが右手、下3段が左手。

ここでピアノ奏者には「各パート譜」を渡されて、そのパートに専念して演奏する気持ちになって、練習していただきたい。多くのサイクルが同時に行われていることや、普段見えない休符のへの意識、パート別の音楽の方向が、ここではじめて明らかに感じられる。
左手には
1.四分音符のサイクル
2.全音符のサイクル
3.4小節単位のサイクル
が同時に存在する。
右手には、音域の違う2つの楽器が存在する。
下のパートは上のパートに問いかけるだけでなく4小節後にも問いかけを行っていることが読める。


このように「パート譜演奏をして、ほかのパートへの気遣い」を確認することが、「立体的に演奏する」ことにつながる。

サイクルに関しては、たとえば。
1.四分音符のサイクル→指先だけで感じる
2.全音符のサイクル→手全体で感じる
3.4小節単位のサイクル→体で感じる
のように、「サイクルの大きさと体の部位」を対応させて考えることが可能である。

私が普段「体をゆすって」弾いている人に感じることは、「ひとつのサイクル」のみに照準を合わせ、他のサイクルを切り捨てていることである。これは「作曲家の作品の、理解できない部分を切り落としている」ことにならないだろうか。もっというと「作品そのものの価値を落として、安易に弾けるようにしている」ということ。
ピアノ作品は、このように「様々なサイクル」をもつ「各パート」の集合体であり、さまざまなリズムやサイクルを持つ。それらが有機的に合わさっていることは確認しておきたい。

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