ホ短調のノスタルジー:スメタナ作曲:我が祖国「ヴルタヴァ モルダウ」から


先日の高橋徹先生とのお話は、私の中になんだか残ってしまった。先生のブログを読んだあと、すぐにフルトヴェングラー:ウィーンフィルのモルダウを聴いたら、なんだか頭の中に鳴り続けている。
さて、ここで終わりにするのもなんだかさみしいので「ホ短調はなぜノスタルジーを誘うのか。音階の構造から解明する」のに挑戦しようと思った。「そう感じるから」では身も蓋もない。もし、「音階の中のこの要素がノスタルジーを誘っている」ことがわかり、その「要素」が抽出できれば、「ノスタルジー」を表現するときの手助けになる、それは演奏家も作曲家も役に立つのではないか?もちろん言葉ですべて説明し尽くされるはずはないし、印象の強い数々の名作が、調性の印象を呼び起こしていることは百も承知だ。
さて、私はホ短調の「自然短音階」に注目した。
モルダウの冒頭のフルート:ソロは「自然短音階」が中心になっている。自然短音階は、導音を持たない。主音に導くために和声短音階では音階の第7音を半音上げる。さらにその結果出来た第6音との増2度を補正するため、旋律短音階は第6音も半音上げる。よって「自然短音階は主音へ上がる力が強くない」と言える
さて、ホ短調の音階構成を見てみると、第6音から主音にかけて「ドレミ」である。これはおそらく心理的に「ドレミ」がすんなり行きやすい。つまり、ハ長調中心に慣らされている音感覚からは、臨時記号がつけにくいだろう。
すると、「ホ短調自然短音階は、第6音から主音ヘ登りやすい」となる。「登りやすいが、導音がないので主音ヘ登ったという感覚が薄い」そこで「主音が薄く感じる」ノスタルジーが漂う感じは、そのへんから出てきている可能性がある。
スコアを見てみると、出だしのフルートは、そのあたりをうまく利用している。
このことからもやはり、スメタナのモルダウはホ短調に大賛成!!また、ベートーヴェンの交響曲第5番がハ短調のキャラクターを象徴するように、スメタナの「ヴルタヴァ、モルダウ」がホ短調のキャラクターを象徴する、印象の強い名作であり、それだけの内容のある曲だと言える。
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