弦楽器の人たちの譜読みを考えてみた
ピアノを弾く人たちは、自分で弦楽器をやってみないと「弦楽器の譜読み」ということを考えることはないと思います。でもここであえて「弦楽器の譜読み」について考えてみると、ピアノの譜読みで落とされている項目があり、それを考えると「ピアノ演奏の譜読みが豊かになり、また仕上がりもよくなる」可能性があると思います。
ピアノの人の譜読みは往々にして「書いてある音をただ叩く」になってしまいます。書いてある音の長さ、強さ、フレージング、アーティキュレーションといったことは「あとから」する人が多いです。譜読みの段階ではただひたすら「書いてある音を同じタッチで」弾く。
これは、弦楽器奏者には全く考えられないことです。書いてある音についての様々なこと、が考えられなかったら、「弓が動かない」のではないでしょうか?
よく、コンクールや試験の直前になって、なんとなく曲がしあがらない人の臨時レッスンをすることがあります。たいていの場合は「譜読みの時の弾き方のまずさ」つまり、
1.譜読みのときに「注意すべき多くの音楽的な項目」を無視し「モグラたたきのように順番に音符を押す」ことに終始している。
2.しばらくそれを続け「そろそろ歌い方、フレージング、強弱、アーティキュレーション、各パートのバランス」と思ったときには、もうすでに「手はモグラたたきを覚えている」のです。また「耳もなんだか変だなと思いつつもモグラたたきの羅列の音に慣れ切っている」のです。
私は「全部でないにしろ、譜読みのレッスンは必要」だと考えています。レッスンの現場で、次に行う曲の楽譜を読ませ、弾かせて「最終的にどのように弾くか」を考させえつつ、それぞれの音のボリュームや長さから音の出し方、フレーズの作り方、歌い方、形式の把握、左右のバランスなどを「させるように促します」。
「音楽的に弾くことのすべての項目を、バランスよく譜読みから行う」ことをさせます。これは曲の一部分でもいいと思います。
確かに、最初はゆっくりしかできないし、ほんの数小節を注意深く弾くだけで終わってしまいます。しかし、このとき「完成形」がどの方向にあるかはっきり見えてきます。その「完成形」を見据えつつ「今そのために何をすべきか」を考え、行うべきなのです。
これを実行に移すことは「難しい」と思われるかもしれませんが、「弦楽器の人は必ずやっている」ことなのだから「ピアノの人も習慣になれば当たり前になる」はずです。「今までやってきてない」から「難しそうに思える」だけです。
この方法は「ただ難しい」という側面だけではなく「譜読みが楽しくなる」可能性を秘めていることを見逃せません。「音をモグラたたきのように叩く」のは無味乾燥でおもしろくないですが「音楽を読んでどのように弾こうか考え思考錯誤する」ことは「練習の楽しさ」に繋がっていきます。慣れれば実に「人間的なこと」なので、難しくてもできると思います。「弦楽器だったらどのような弓の動きをするか」を思い描くだけで、かなりできるようです。
ピアノは「一人で多人数を演奏」します。ですから「パート練習」と「合奏練習」です。パート練習と合奏練習は、基本的に交互に行うのがいいと思います。というのも「パート練習」しているときに「どのように合わせるか」を考えずに行うことは「合奏練習で破たんをきたす」ことになるからです。中には「片手練習」のときに休符を無視する人もいます。これはとてもいただけません。参照1⇒ 参照2⇒
「弦楽器から学ぶこと」は、ほかにもあると思います。それはまた次回にまとめたいと思っています。
この記事を読んで「気になった」方々(ピアノの先生、ピアノを習っている生徒さん、保護者の方、音大生の方、ピアノとは関係ない方も)のメールやメッセージをお待ちしています。もちろん講座や臨時レッスンも行います。どこへでも行きます。m-ohtake☆iris.ocn.ne.jp まで
5月22日に私のレッスン室で練習会を行います。参加、聴講ご希望の方も連絡ください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今まで「日々雑感」で書いていることを応用したレッスンを行っています。
特に、ピアノ、音楽を専門にされている方へのレッスンは、金曜日午前中と、土、日曜日に行います。
3人以上の出張レッスン、公開レッスン、講座も行います。
お問い合わせは m-ohtake☆iris.ocn.ne.jp(星を@マークに)あるいはFBにメッセージでお願いいたします。
大阪音大音楽院でもレッスンしています (月)(木)(土)
音楽大学受験生も募集しています
こちらもご覧ください
ピアノの人の譜読みは往々にして「書いてある音をただ叩く」になってしまいます。書いてある音の長さ、強さ、フレージング、アーティキュレーションといったことは「あとから」する人が多いです。譜読みの段階ではただひたすら「書いてある音を同じタッチで」弾く。
これは、弦楽器奏者には全く考えられないことです。書いてある音についての様々なこと、が考えられなかったら、「弓が動かない」のではないでしょうか?
よく、コンクールや試験の直前になって、なんとなく曲がしあがらない人の臨時レッスンをすることがあります。たいていの場合は「譜読みの時の弾き方のまずさ」つまり、
1.譜読みのときに「注意すべき多くの音楽的な項目」を無視し「モグラたたきのように順番に音符を押す」ことに終始している。
2.しばらくそれを続け「そろそろ歌い方、フレージング、強弱、アーティキュレーション、各パートのバランス」と思ったときには、もうすでに「手はモグラたたきを覚えている」のです。また「耳もなんだか変だなと思いつつもモグラたたきの羅列の音に慣れ切っている」のです。
私は「全部でないにしろ、譜読みのレッスンは必要」だと考えています。レッスンの現場で、次に行う曲の楽譜を読ませ、弾かせて「最終的にどのように弾くか」を考させえつつ、それぞれの音のボリュームや長さから音の出し方、フレーズの作り方、歌い方、形式の把握、左右のバランスなどを「させるように促します」。
「音楽的に弾くことのすべての項目を、バランスよく譜読みから行う」ことをさせます。これは曲の一部分でもいいと思います。
確かに、最初はゆっくりしかできないし、ほんの数小節を注意深く弾くだけで終わってしまいます。しかし、このとき「完成形」がどの方向にあるかはっきり見えてきます。その「完成形」を見据えつつ「今そのために何をすべきか」を考え、行うべきなのです。
これを実行に移すことは「難しい」と思われるかもしれませんが、「弦楽器の人は必ずやっている」ことなのだから「ピアノの人も習慣になれば当たり前になる」はずです。「今までやってきてない」から「難しそうに思える」だけです。
この方法は「ただ難しい」という側面だけではなく「譜読みが楽しくなる」可能性を秘めていることを見逃せません。「音をモグラたたきのように叩く」のは無味乾燥でおもしろくないですが「音楽を読んでどのように弾こうか考え思考錯誤する」ことは「練習の楽しさ」に繋がっていきます。慣れれば実に「人間的なこと」なので、難しくてもできると思います。「弦楽器だったらどのような弓の動きをするか」を思い描くだけで、かなりできるようです。
ピアノは「一人で多人数を演奏」します。ですから「パート練習」と「合奏練習」です。パート練習と合奏練習は、基本的に交互に行うのがいいと思います。というのも「パート練習」しているときに「どのように合わせるか」を考えずに行うことは「合奏練習で破たんをきたす」ことになるからです。中には「片手練習」のときに休符を無視する人もいます。これはとてもいただけません。参照1⇒ 参照2⇒
「弦楽器から学ぶこと」は、ほかにもあると思います。それはまた次回にまとめたいと思っています。
この記事を読んで「気になった」方々(ピアノの先生、ピアノを習っている生徒さん、保護者の方、音大生の方、ピアノとは関係ない方も)のメールやメッセージをお待ちしています。もちろん講座や臨時レッスンも行います。どこへでも行きます。m-ohtake☆iris.ocn.ne.jp まで
5月22日に私のレッスン室で練習会を行います。参加、聴講ご希望の方も連絡ください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今まで「日々雑感」で書いていることを応用したレッスンを行っています。
特に、ピアノ、音楽を専門にされている方へのレッスンは、金曜日午前中と、土、日曜日に行います。
3人以上の出張レッスン、公開レッスン、講座も行います。
お問い合わせは m-ohtake☆iris.ocn.ne.jp(星を@マークに)あるいはFBにメッセージでお願いいたします。
大阪音大音楽院でもレッスンしています (月)(木)(土)
音楽大学受験生も募集しています
こちらもご覧ください