昨日のことを拡張しよう

さて、昨日はシンコペーションのスケールから、タッチの違いを得られました。AとBのスケールの弾き方が、その瞬間の緊張や、弛緩のタイミングや強さが微妙なことだったことに驚かれたと思います。
さて、ここで、今までタッチは「強い⇔弱い」「速い⇔遅い」だけでやってきたのが「緊張の強さと微妙なタイミング」という新しい技術と基準を手にすることができました。としましょう。
ここで得られたことを、曲の様々な音に応用して見ましょう。
こうすると、いままで音の「強い⇔弱い」だけだったものが、様々なタイミングと緊張、弛緩の変化という基準によって、今まで弾いていた一つ一つの音が変わって、曲全体もまた違って見えてきます。

さてここで私はあることに気がつきました。よく「楽譜どおりに弾くだけだから、面白くない」とかいう、ものの言い方、考え方があります。今、新しい基準でもってそれぞれの音を見直すと、なんと多くの表現の可能性が浮き彫りになってくることか。一曲にいくつの音があるかを、私は数えたことがありません。(中村紘子さんは、たった一文を本に記すため、このことを行ったのですが・・)その音の数だけ特有の緊張と弛緩の度合いがあると思うと、どんなに表現が膨らむことでしょう。
つまり、演奏者が「多くの尺度を持って」その曲を見つめてみると、豊かになってくるということです。より多くの尺度を持つこと、独自に尺度を作っていくこと、またその尺度を自由に組み合わせること。それによって多様な個性を持った演奏が多数出現してくるはずです。
また、本当の巨匠や名人の演奏(歳をとっていると解釈しないでください)は、それらの豊かな多くの価値基準の集合によって作られているのではないでしょうか。

安易な物まねは、それらの多くの豊かな価値基準を持った演奏を、自分の安易な価値基準(たとえばテンポと強弱だけのような)の中に押し込めて、それに入らないものを「見なかったことにしよう」といっているようなものです。これは厳しいようだけれど「演奏や作品に対して失礼」なあり方ではないでしょうか。私自身も反省です。


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