ショパンの楽譜
ショパンの楽譜をよく見ると、ダンパーペダルと休符が両方あることが多い。休符を「意識」すると、その瞬間演奏者には緊張が走る。その一瞬の緊張を表現するため、ショパンは休符を書いたのではないかと思う。①
また、ショパンの楽譜をよく見ると、手の届くところだけ長い音符が記されている。彼の楽譜は、ほとんどの場合10度以内におさまっている。②これが、シューマンだと違う。③
ショパンは、「手の動き」を楽譜を書いた。シューマンは「響き」を書いた。その楽譜が「何を」書いているかを注意して読まないと、読み誤ってしまう。時代は下るが、ドビュッシーは言うまでもなく「響き」を楽譜に書いた。④
このエチュードはまさにショパンの書き方だと思う。⑤上声が四分音符で書かれていないことに注目している。