ピアノ演奏における休符と呼吸・そんなに単純じゃないぞ・・・・
こんにちは。
明石市魚住の大竹ピアノ教室の大竹道哉です。
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2018年6月23日㈯ 14時・16時開演 新大阪 B-Tech Japan 残席あります
ピアノ演奏における休符と呼吸・そんなに単純じゃないぞ・・・・
今朝、フェイスブックである方が、「ある曲を弾いていて、休符の大切さに気が付いた」とコメントしていた。また、その前には「ピアノの人は演奏に呼吸がないことが多い」との指摘がやはりあった。
頭の片隅にその気になることを置いて、練習に入った。シューベルト:即興曲 作品142-3
すると、アルトの声部に、16分休符、また、テノールには、8分休符とシンコペーションがよりはっきりする。
手や指が独自に呼吸を持ってこそ、このリズムは生きてくる。アルトとテノールのパートだけを取り出してみると、このリズムはそれぞれより細かいサイクルを持っていることがわかる。この練習は、有益だと思う。アルトは半拍、テノールは一拍(二分の二拍子であることも忘れないように)のサイクルを感じることができる。
以前「指がそれぞれ人格を持つ」といったけれど、本当にそれがないと、この「休符」を生かせない。
ついつい気を抜くと、次のように演奏してしまう。
いわば「べたな」演奏である。そこで
しかし、やはり不自然。つまりピアノ演奏で、「一つしか扱えない」というあり方は、間違っている。
という楽譜の追い方で何とかしようとしても、不自然なアクセントが入るだけである。だからと言って、
という演奏もよく聞くが、確かに汚くはならないが、ハーモニーが聞こえてこないので「変化」が聞こえない。また、ハーモニーの変化によっておこる転調の気分の変化も聞こえてきにくくなる。
こうなると「どこがより無難であるか」という消極的な選択に基づいた演奏になってしまう。
つまり「自分の中に複数人」を持たないと、良い状態での演奏は不可能である。
「楽曲の構造に即した認識に基づいた演奏」と、「単に汚くないだけの無難な演奏」とは、はっきりした境界線、断絶がある。
さて、そこでちょっと考えてみた。
ピアノの教材の中には、このような難しさを回避したものがある。また指の練習や快活な動きに特化した教材、あるいは同時に各パートを歌わせずに、時間的にわざと交代して出しているものもある。
指導者が、個々の教材に「何かに特化したもの」や「ある特定のむずかしさを回避したもの」をきちんと理解して見据えているかどうか、が、一つポイントになってくると思う。
以前「ピアノは合奏の模倣」ということを述べた。「合奏」をするには自分一人の中に、複数の人格を持たなければいけない。でも、それをひとまず置いておいて「合奏」を考えなくてもいい状態で弾けるようにするもの、あるいは、合奏そのものがそんなに難しくないもの。そのように特化した曲をやっているときに「この曲はこれこれに特化していて、これこれの要素がない」ということを見据えないと、「いわゆる教材」から「芸術」へ移れなくなってしまう。
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Unknown
アルトの音型はレレファ#レ…16分音符4つですよね。
Unknown
黒田様
コメントありがとうございます。
私は、アルトは、このようなリズムを持っている、それによって曲に動きが出てくるものと考えています。これと類似すると考えられるものを、探して見ます。