メンデルスゾーン 「狩りの歌」無言歌集作品19-3 イ長調

「狩りの歌」と言われるピアノ曲は、結構たくさん見つけられます。思いつくだけでも

・グルリット こども音楽会 狩の曲 作品210-7

・ブルグミュラー 25の練習曲 作品100-9

・シューマン 子供のためのアルバム 作品68-7

・チャイコフスキー 四季 9月 作品37a – 9

などがあります。これだけあるということは、ロマン派音楽の題材によく使われているといえます。

どの曲にも「狩りの合図のホルンの響き」や「馬の走る音」などが描写されています。また、遠近感を表すと思われる強弱記号も見受けられます。 当たり前ですが、タイトルのある曲は、そのタイトルの情景、風景、動き、心象風景などが音楽から感じられるように弾くのが「第一義」に大切にされるということです。

メンデルスゾーン、上記の曲の中ではどちらかというと難しいです。なぜ難しいのか、考えてみました。

もちろんそれは多岐にわたっています「これだけが難しい」と限定することはできません。演奏者によっても「難しいこと」が違っていることもありますが、承知の上で考えてみました。

いちばん気になることは

・様々な種類の音が同時に、あるいは同じ個所に響いている。ということ

つまり、多くの違う弾き方、違う響かせ方のパートが重なり合ったりしているということ。ピアノ演奏者にとっては違うことを同時にやらなければいけない。それが比較的多く見いだされること。これがこの曲を難しいものにしていると考えられます。しかしそれは、立体的な情景の描写につながっているといえます。(もちろんほかの曲にもそれはありますが)

さて、これを考察していきます。

まず、出だしの左手のA音のオクターブ、これをよく響かせる、必ず「弾く前の準備」の瞬間があり、その瞬間の「緊張」を逃すと、必要な音は得られません。始まる前の「前拍」をどのように感じるか、指導者が「指揮者のように」その瞬間を与えるのが最も良い方法だと思います。また、右手の子のパートは「左手のユニゾンに呼応して」弾かれます。左手の大きい長く響く音と、右手の馬が駆け上がるようなスピード感のある音、それぞれの音のキャラクターは違い、タイミングも全く違います。これが「逃さず」できることが必要です。

左手の動きのために、右手がぶれると、右手の出だしのタイミングをとれなくなってしまいます。だから「姿勢をよくして」(姿勢をよくすると、自分の右半身、左半身がそれぞれ別々に使える)弾くことが考えられます。

個々の箇所は「右手の付点四分音符と八分音符の和音との鳴らし方」は違います。一つの手の中でこの「違う音の出し方」可能ではあるのですが、かなり難しいです。

譜例2のように考えてしまうのは、非常によくない。

まるでこの譜例3のように弾かれたようだったりする。

さて、ポイントを考えてみました。譜例4

①長い響きが要求されます。

②この休符を逃すと、5,6拍目がぶれて、音楽全体がだれてしまう。

③タイミングの難しい八分休符

④タイで伸びていてよく響かす。

⑤の付点四分音符は長く響かすが,⑥はスラーとスタッカートを生かす。

①の音の出し方と、③の音の出し方、まるで違っています。どちらもそれぞれのキャラクターを持ち、タイミングの難しい響かせ方が要求されます。①は、長い豊かな響き、③はこの休2符を手が良いタイミングで感じないと、逃してしまうと、曲のテンポそのものが失われてしまいます。

②の休符も逃すことができません。でないと5,6拍めがだれてしまいます。⑤と⑥は、右手の中で違う響かせ方を同時に行う。「どちらかだけ」ではないです。ですから「高度な動きの分離」が要求されています。

つまり、最初の1段、一分の隙もなくそれぞれのパートが独立し、主張することが求められています。一つのことをやってから次のことに移るというやり方は、ここでは通用しません。複数の動作、各パートの違うタイミングや呼吸を持ってはじめてできることと考えられます。

また、テンポの取り方も難しいです。1拍ごとに「よいしょ」とやっていたら音楽が進まなくなってしまいます。軽く数える、さまざまなことをやりながらですが「特にゆっくり弾いているときに、数え方を正確に、そのまま速く弾いても行けるかどうか注意して」練習することが求められます。

この曲のレベルになると、おそらく指導者が注意深く見守りながら進めていくことが要求されます。特に「同時に多くのことが達成されていないと、瓦解してしまう」ので、さまざまな要素に対して同時に聞いていく能力が、「譜読みの段階から」要求されます。 

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