練習時間の少ない中で

Facebookの 山田 隆広先生のコメントでこのようなものがありました。

「以前研究会で生徒に示したことがあります。総練習時間2時間で一度も弾いたことのないショパンの三番ソナタフィナーレを暗譜で理想のテンポで弾いてみせました。ただしピアノ無しで楽譜を眺めて考える時間は数時間とりました。今度の公開講座でレクチャーするつもりですが、やはり多角的な視点からアプローチすることで曲は入っていくものだと。ポリーニは一回弾いたら暗譜なんて都市伝説もありますが、必ずしも嘘ではないと思ってます。ギーゼキングが飛行機の中で楽譜を見るだけで現場でいきなり弾いた人もいますね、凄すぎです。」
とおっしゃっています。これはピアノを弾くことに関して多くのことが整理できているからこそできることだと思います。
音符を見て、それが実際の音や手指の動きとしてイメージできることや、曲に対する形式、和声などの知識、スケール、アルペジオ等の手指の感覚などを総動員してのことです。(もちろん、山田先生は「その後音楽を深めて心と頭の良いバランスで演奏するのにもちろん数ヶ月かけました。」とのことです。)
さて、このことから、重要なことが学べます。集中の配分の仕方です。
初心者は、見た音符をその必要な動きをする指に信号を送るのに、時間がかかります。また、この信号を送り間違えたり、混乱したりします。熟練者は、この「見た音符」という情報を頭の中で鳴らして、前後を重ね、しかるべき組み立て方を頭の中で瞬時に正確に作ります。また、それに必要な指への信号も組み立てられます。
わずかな練習時間の中では、この「情報の伝達、整理」を意識するといい、ということです。
あるまとまった音形などは、いちいち頭で考えず、指に任せる。たとえば「ドレミファソ」というのを「1,2,3,4,5」という指で弾く。するとこれがひとまとまりになります。たくさんの指の動きを考えうに、「ひとまとまり」の情報で弾くことができます。
この部分は「ミ♯ソシミ♯ソシ」などという覚え方ではなく、E-durのアルペジオ、普段練習しているので、手が覚えている。というと、「この部分は、頭で考えるのではなく手が考える」になります。
このようなまとまりをさらにまとめて考えていく。まとめる、というのは大切です。まとめることにより、複数の細かいことが「ひとつの行為」となっていきます。
以前「自分の体を、会社のような組織に見立てて考える」「手指が音楽を感じ、反応する」ということを書きましたが、このようなことが必要だと思います。「ピアノを弾くひとりの人間は、オーケストラ組織」のようなものです。役割をうまく配分することにより、短時間での習得も可能になるのでは、と思います。
以前書いた記事もご参照ください。
参考1 参考2 参考3
今、ピアノのテクニックについての「整理の方法」というのを考えて書いています。これを「譜読み」と合わせて考えるといいと考えています、また書けたら発表します。ピアノのテクニックについての全般的なご質問、ご意見等ありましたらm-ohtakeアットマークiris.ocn.ne.jpまで、あるいはフェイスブックでも。よろしくお願いいたします。

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