より良い譜読みのためのエクササイズ
こんにちは。
明石市魚住の大竹ピアノ教室の大竹道哉です。
本日もブログを発信していきます。
いままで「ジグザグ読み」や「ぶら下がり読み」をかなり批判してきました。
これには相応の理由があり「楽曲の解釈以前の大問題」だからです。
今、皆さんは私の文章を「横に、左から右に」読んでいらっしゃると思います。楽譜も「横書き、左から右」に進んでいきます。ところが「ジグザグ読み」や「ぶら下がり読み」は、これをぶち壊してしまいます。
私のこの文章を「右から左」や「縦」に読んで、理解できる人は、おそらくいないと思います。「ジグザグ読み」や「ぶら下がり読み」は、特定の「横書き」パートを「横に読まずにズタズタに切り刻んでしまう」読み方です。
ではなぜ、「ジグザグ読み」や「ぶら下がり読み」が起きるのか?それは、ピアノ(鍵盤楽器全般)は、複数の音を同時に出せるからです。
その「複数の音をどのように整理し、理解するか」が、本当の「譜読み」であると思います。つまり「読んだ音を、どのように組織して収納するか」です。
ピアノの楽譜が、作曲者によって「合奏の模倣」のように書かれていれば「合奏と同じ頭脳」つまり「複数の頭脳」が必要です。これをいわば「単体の頭脳」で処理しようとすると「複数のパートを行ったり来たりして切り抜ける」ということが起き、そのために「パートの音の、横のつながりが崩壊」します。
「譜読みと同時に、読まれた音を組織作って収めるための頭脳を作り、そこに収める」これは、初歩の段階から注意深く、確実に少しずつ行われるべきことで「ピアノ指導者のプロとしての見識」が要求されています。
★exercise「頭脳作り」は、
たとえば、このような曲で、それぞれのパートを歌いながら弾ける。
①左手を弾きながら、右手を歌う
②右手を弾きながら左手を歌う
特に、②は大変やりにくいと思いますが、これらの練習によって「横方向に読む」ことをはっきり認識できます。バッハのマグダレーナの曲集やインベンション、あるいはモーツァルトの初期作品などがよい教材だと思います。
これは、まとまりのある数小節を行うだけでも、かなり頭がはっきりします。
また、これらの曲集から、どれかを選んでまとまりのある数小節を両手で数回弾く。すぐに楽譜を閉じて特定のパート、とくに下声だけを取り出して弾く。
このようなエクササイズで、楽譜の読み方や頭脳への入れ方などが、変わってくると考えられます。
注意事項としては
・ゆっくり、じっくりやること
・必ずしも曲の全部をやらなくても、まとまりのある一つのフレーズだけでも練習になる。
・歌うのが難しかったら、ドレミをリズムの通りに言いながら弾くだけでも効果がある。
・「思い出す」ことを頑張ること。安易に楽譜を見ると、頭脳の働きがそこで止まってしまいます。
が考えられます。