改訂・譜読み その2
こんにちは。
明石市魚住の大竹ピアノ教室の大竹道哉です。
本日もブログを発信していきます。
さて「譜読みのレッスン」
生徒が初めて見る楽譜で、指導者が横について、レッスンします。もちろん音符は生徒が読みます。そして読んだ音を音の連なりとしてまとめて行きます。まとまることによって「音楽として」聴こえてきます。指導者はまとまりをどのようにつけて弾くかを示唆しつつ、生徒に弾かせます。読んだ一つ一つの音が、くくられてハーモニー、メロディーとして感じられるようになる、その箇所その箇所を支配しているハーモニーが感じられるようになるまで、根気よく音を紡いでいきます。
生徒の力量によって、いきなり両手で弾かせることもあると思います。片手ずつするときも、両手がどのようにあっていくかを忘れないこと。間違えても音符や休符の長さを片手読みのときにきちんとしないと、両手で合うはずがありません。なるべく「片手⇒両手⇒片手⇒両手」のように往復していくほうがいいです。片手練習に長い時間固執すると、脳が両手であわせる事に向かわないようになることが多いです。
最初に弾く前に
何調か、何拍子か、などを生徒にチェックさせること。
実際はゆっくり弾くにしても、完成したときのテンポはなんであるか
舞曲だったらどのようなものかなど、曲の時代や様式も
テンポ、発想記号なども、チェックするべきでしょう。
最初に弾くときには、最初に見る音楽のまとまりとしての単位を設定する。これも生徒に能力があれば、自分で設定することも考えられます。
長すぎると大変ですが、短すぎると「音楽の意味としてのまとまり」が見えてきません。
1つのカデンツぐらいのまとまりが、いいかと考えられます。
最初に取り上げるのは、必ずしも「曲の始め」とは限りません。
このレッスンについて、どの曲、どの生徒にも当てはまる手順は存在しないと思います。「生徒が弾く楽曲そのものの観察」「生徒の弾く様子の観察する」ことが重要です。
指導者は
1.生徒が何を聴いて何を聴いていないか
2.ピアノを弾くのに必要な循環が生徒の中でなされているか
を察知することが求められます。
1.については、単に「ド」や「レ」が正しいという以上に
旋律がよく歌えているか、
その箇所のハーモニーが理解され、カデンツに応じてテンションの変化を感じているか
正しく、声部を分けて考えているか。などなど
とくに、「右手がドのとき左手がシ」「右手がラのとき左手がド」とやってしまうと、左手は右手にぶら下がり、左手の織り成す横の線がなくなってしまいます。よくバスの線を理解しないで弾いているのを聴きますが、これは、譜読みの段階でこのような見方を安易にしてしまうからです。
2.に関しては
よく「鍵盤をじっと見つめて弾く」生徒がいます。たいていしばらくすると、止まって音を読みます。
これは「自分の中の全員が音を出すほうに行き、しばらくしてわからなくなると、次の音を見るほうに全員が集まる」という「子供のサッカー」的なことが自分の中で行われているのです。「ピアノを弾くという循環行為」がなされていない状態です。
ところで・・・子供のころ、学校でサッカーをした人は多いと思います。
たいていの場合、全員がボールの周りに集まって、全員がボールと一緒に
走っているような感じだったのではないでしょうか?
大人になってからJリーグだ、ワールドカップだというと、各人がそれぞれのポジションに配置され、それぞれが役割を担ってプレーしているのがわかります。サッカーのフォーメーションとでも呼ぶべきものらしいです。
さて、このことをピアノ演奏につなげてみようと思います。
以前「一人の人間は多人数の集まり」ということを発表したことがありました。
ひとつのことをするのに、自分の中の多くの人が、それぞれの役割を担って担当しつつ、物事を進めているという考え方です。
さて、ここでレッスンをやっているとよく出会う状況を考えてみます。
①ピアノを弾くとき鍵盤ばかりを見ている=自分の中の全員が「弾くほう」に集まってしまっている。
②途中でわからなくなってとまることが多い=自分の中に「次のことを調べて準備する人がいない」
これはどういうことでしょうか?
ピアノを弾くときは「自分の中の多数の人を、それぞれの配置に付ける」のが理想です。
脳内の配置が理想的である。バランスの良い状態
そこで譜読みのときから少しずつその「配置」を行いつつ楽譜を読み勧めていきます。
「楽譜を読みながら弾く」というのは、自分の中に少なくとも「楽譜を読む」人と「弾く」人がいるはずです。
その二人が「分担」しているからこそ「読みながら弾く」ができるものと考えられます。
それが「読む」だけになると「弾く」が止まってしまい、「弾く」になると「読む」がとまってしまう。
これは、自分の中の「全員」が、「読む」方へ走ってしまい「弾く」人がいなくなる。
全員が「弾く」方に走ってしまい「読む」人がいなくなる。ということになります。
これは「子供のころのサッカー」に似ていると思います。
弾く事だけに走ってしまった状態
楽譜を見ることだけに走ってしまった状態
この考え方を延長していきます。
サッカーの監督のように、ピアノの先生は、生徒の頭の中の「人員の配置がされているかどうか=フォーメーション」に注目するということになります。
それは、多岐にわたっていますが、少しずつ配置を拡げていくことが考えられます。
それに「配置されているかどうか」は、その生徒の弾き方や手や目の動きをよく観察し、どこに配置がされ、どこに配置がされていないかを察知しなければいけないということです。
「片手ずつ」「リズムだけ」「音名だけ」読むことはありますが、すぐにそれぞれを「どのようにまとめられるか、他の要素と結びつける」ことが必要で、そのことを、譜読みのレッスンでは「指導者=監督」として指示を出していくことが求められます。
「ピアノを弾く」という行為は「循環」がどうしても必要です。「循環」が生徒の中でよい状態で行われるように、譜読みの段階から指導者は生徒の「頭の中」を見るようにしていく必要があります。譜読みで読んだ音は、放っておかずに必ずまとまりとしてすぐに括る。そして、ゆっくりでいいから循環の中で演奏できるまでにする。もしそこまで行わないと、読んだ音は意味を忘れられて腐って消えてしまうからです。
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