音楽≠音学だけども
音楽≠音学です。でもそこに「音楽を聴くのに知識はいるのだろうか」という問題があります。
音楽を「聴覚」だけで聴くことはできると思います。でも様々な知識が気持ちを「音」に向かわせることがあります。これによってより深く「作品と心の交流」ができます。「作曲家はここにこだわった」という点に目を向けてみると、新たな「響き」が聞こえてくる。そのこだわりが「文化的背景」を持ったものだと思うのです。
たとえば、NHK「“スコラ”坂本龍一
音楽の学校」を見たあとで音楽を聴くと、「ああなるほど、聞こえてきた」というのがあると思います。もちろん「バーンスタイン『青少年コンサート』(Young
Peoples’ Concert)」でも、「オーケストラがやってきた」などでも同じです。
テンポ、リズム、音色どれも作曲家の文化、また演奏者の文化、聴衆の文化と切っても切り離せないものがあります。評論家の評論が「音」に向かわせるものであってほしいと思っています。より自分の「聴き方」を豊かにさせることを考えていきたいものです。
私は「ピアノ」を弾き、教えることをしていますが、ピアノレッスンの現場でこの視点が非常に欠けやすいので、注意していきたいと思います。