譜読みの音間違いについて・再び
明石市魚住の大竹ピアノ教室大竹道哉です。
本日もブログを発信していきます。
以前にも、このことについては、書きました。また、基本的な考え方は全く変わっていないので、繰り返しになります。でも、もう一度確認をする必要を感じました。
このところ、コンクールなどが会場で開くことが困難になって、動画や録音による審査がよく行われています。私もある動画審査を行っています。また、レッスンに行けない人たちに、動画や録音を送って様々なコメントや、動画を撮って送り返すこともしています。
さて、動画についてですが、大きな欠点としては「生で聴くことができない」ので、「実際の音」がどのようであるかは、想像するしかないです。大まかにはわかりますが、本当はどうなのかはわかりません。
でも、とてもいい点としては作成者にとっても、鑑賞者にとっても「回数」ができるということ。
・作成者にとっては、撮ったものを見直して、何度でも撮りなおせる。この間に様々な気付きや上達、発展が望める。
・鑑賞者については、何度でも聞き返せる。
ということ。
そのような中でも、聴いていて「あれっ」と思ったものがありました。
「音の読み違い」間違った音を弾いてしまう場合、
勢い余って、隣の鍵盤をたたいてしまう。ということはあります。これについては私はほとんど問題にしません。でも、明らかに「音楽を読めていない」というのがあります。
特に間違いで多いのが「導音」です。調が変わって、次の主和音を目指そうとする、パワーのある音を落としてしまう。それは「音階」や「和声」を感じていないときに起こることです。音楽の構造の転換点なので、曲全体を見ても、大きなポイントです。
動画では「聞き返すことができる」ので、その「ポイント」を絶対に抑えて、聞き返すときの反省材料とするといいです。撮り直しができますから。 実際の会場での審査では「今の音、絶対にハーモニーを感じていない間違いだ」と気がついても「確実に確かめられない」ので、書評に書かないことが多いです。でも、今回は聴き直しができるので「何小節目の左手の下から何番目は♯で、何調の導音」と確かめてゆっくり書くことができます。
ただ単に「間違えた音に○をつけて正しい音にする」ではなく「そこの箇所の響きは、どのような響きか?またそれがどのように変化していくか?」を表現できるようにすること。
さて、時々あるのですが、シの♯、ミの♯、ドの♭、あるいは♭♭などの臨時記号。これらが出てきたらちょっと意識して大切に弾いてみてください。曲の雰囲気がはっきりしたり落ち着いたりすることが多いです。
作曲家にとってこれらの音を書くのには「一定のためらい」や「注目してほしい」という「特別な意識」が自然と働くことが考えられます。
ですから「音間違い」を「不注意」のレベルで考えるのではなく「音楽的な意味」をどのように感じるか。のレベルに引き上げるといいです。
7月26日 京都・北大路 アメリカヤ楽器で、アドバイスレッスンを行います。