このスケール練習で得られたもの
これは、ハ長調の冒頭ですが、これを全長短調、短調は和声・旋律短音階それぞれやってみました。まず、指使いが難しいです。もちろんスケールの指使いはある程度決まっていて、ハノンなんかの本を見れば、書いてあります。
指替えの指令の出し方を変えないといけなくなります。
それぞれの指替えの位置を示してみました。Aは通常のスケール、Bは3連符を使ったスケールです。
Bの指替えは、いわば「不規則」に近くなります。Aのように「一定の周期」を考えられないので、どうしても「左右それぞれ」の独立したスケールを弾く状態になります。それぞれセクションが必要。Aを弾くために「脳内の組織」を組み替え、2つのスケールをそれぞれ同時に弾く必要があります。
通常のスケールだったら、指替えの位置やリズムが決まっているので、Aの指令系統が使えます。しかし、このB楽譜のスケールでは、絶えず「それぞれの手」への注意が必要なので「一つの指令しか出せない」ので危なくなってきます。より「各セクションの独立」を行い、両手それぞれに注意を向けることが必要です。
上図のように「社長」からの命令ではなく、脳内のネットワークによって独立を確保して任務を遂行する方法が理想です。
実際、やってみると、これらの「脳のネットワークの変化」をなんとなく感じることができます。