アドバイスレッスンから 「力が入る」
昨日は、小1の女の子をレッスンしました。ピアノを始めて8ヶ月ぐらいだそうです。弾いていると不自然に「疲れる」「痛くなる」というのがあるとのことでした。
姿勢や手のポジションは悪くないのですが、演奏を聴いてみると音にリズム感がないことや、歌っていないことが気になりました。おそらく普段の練習では「鍵盤を押し下げる」ことに意識が向かいすぎているようでした。
ピアノは「打弦楽器」つまり発音機構としては「打楽器」ですから「音を出す対象」に対し「スピードのある動き」が大きい音になります。
では「鍵盤をもっともスピード速く押し下げるには」鍵盤をわしづかみにして瞬間的に引っ張り上げればいいです。鍵盤の上に軽く指を置いて(力を入れない)「ワッ」と言いながら和音をわしづかみに引きちぎるようにつかむと、大きい音が出ます。後はこれを変化させて「大きい音」がでる「タッチの方向」と「タイミング」を少しずつ覚えていけばいいです。
もう一つ「よく歌う」ことに関しては「腕のゆったりした感じ」に注目してみました。両腕の間に大きな風船があって、それがだんだんふくらんだりしぼんだりするイメージです。それが、フレーズの山と一致すればいいと思います。フレーズの高揚感は「だんだん強く」よりも「だんだんふくらんで」の方が自然に響きますし、技術的な問題で「縦に叩きすぎる」のも「横の広がり」を意識することによって叩かなくなります。それによって「無駄な力」を使わずにすむようになるのです。
「力が入る」というのは、大概の場合、ほかに原因があっての結果です。たいていの場合「何かをしようと思ってもできない、やり方が間違っている」時に起きます。「何かをやろう」として「できない」ので「力を入れる」わけです。「やろうとしてもできない」のをさらに「力でなんとかしよう」とする「できない」「もっと力を入れる」という悪循環やスパイラルの結果です。ですから「何かをやろう」とした気持ちのエネルギーを「できる」方向へ流れるようにしてあげること。いわば「誘導」することです。そうすると、やろうとしたことがすっとできるので「やろうとする気持ち」と「できた」という結果の間に、良い循環が生まれます。指導者はこれらを見抜いて「悪循環」を断ち切り「音楽をする気持ち」と「出てくる音・音楽」との良い関係に導くことが必要だと感じました。
このように、ピアノ演奏、レッスンのお悩みについての「特別レッスン」も行っています。生徒さんだけでなく、ピアノの指導者の方々への個人、公開レッスンもできます。原則、土日ですが、平日も随時受け付けています。
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