モーツァルト:ピアノソナタ イ長調 Kv331とシューマン:ユーゲントアルバム「楽しき農夫」
この曲、放っておくと、このように考えて弾いてくる生徒がよくいます。
ここで
パート譜にに分けて考えてみます。すると、細かいスラーで動く上声と、ゆったりした動きの中の2拍目に響く和声と、異質のものに見えます。
つまり「上声の細かい繊細な動きと、下声のゆったりしたハーモニーの変化、リズム」が組み合わされている。右手と左手と「ペースの取り方、タイミングの取り方」は別々に考えられるものと思われます。
この曲も、よく以下のように弾かれてしまいます。
これもパート譜にして、それぞれ別の楽器で演奏する気分になってみます。
右手は「タイミングをうまくとりながらリズムを刻む」
左手は「気分よく朗々と歌う」
ジグザグに読んでしまうと、左手の歌は中断され、また右手のリズムのシンコペーションも聞こえてきません。
さて、どうしても「片手ずつ練習し」ということになります
ここでプロのピアノ指導者は、次のことをよく確かめなければいけません。
「それぞれのパートがリズムや歌い方をよく把握し弾けているか」
「両手になったときも、それぞれのパートのリズム、歌い方、ペース、タイミングなどが損なわれずに行われているか」
つまり「ただ単に時系列に音を並べて」いるのか「それぞれのパートのリズム、歌い方、ペース、タイミングなどが損なわれずに行われているか」ということを「譜読みの段階から注視する」必要があります。
最初に出した譜例のいわば「ジグザグ読み」は、そのまま続けていても「それぞれのパートの持っている音楽」にはたどり着けないと考えられます。つまり「譜読みの段階で、次のステージにつながる読み方」を生徒と一緒に気をつけていく必要があります。