ショパン幻想曲 ヘ短調 作品49の一部です
こんにちは。
明石市魚住の大竹ピアノ教室の大竹道哉です。
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ショパン幻想曲 ヘ短調 作品49の一部です
よく見ると①と②ではペダルの位置が違います。これが、単なる「響きの違い」だけでなく、ショパンの音楽のかなり本質的な問題まで含んでいるように感じました。
どちらが正しいか?ショパンは次のように記しています。
この楽譜からは②が正しいということです。さて、ここでお話を止めてはいけないと思います。
ショパンはなぜこのようなペダルを書いたのか?です。
ここで、楽譜を4段にして、グループ分けをしてみます。②の楽譜のペダルは、以下のような楽譜を考えていたのでは?つまりショパンは「別のところから来る声」を考えていたのでは?ということです。
実際は、次のように記されると思います
以前、私が指摘したのは「ショパンの音符は、指(と足)が何を行っているかを楽譜に記した」です。(ただ、これを全面的に受け入れるには、過去のショパンの解釈者の間違いを指摘することでもありますが)
響く長さを楽譜に書かなかったショパンは、このように立体的に同時に響いている音を、ペダルの位置で表現するほかなかった。それは「響きを楽譜に書くと、あいまいさが残る」ことを嫌ったのではないかと、私は考えています。
以下の赤い線のように考えていくと、平面的な演奏になります。でも、手はこのように移動します。
音楽的には、このような2つの線が認められます。
ショパンの楽譜は「どのような操作を行っているか」を克明に描いているのであって「どのように聞こえるか?」を書いているのではないことに、もっと注目すべきだと思います。つまり「どのように聞こえるか?」は、演奏者が考えること。そのとき特に「立体」を見逃してはいけないと思います。手の動きはAですが、音楽的にはBだと考えられます。