インベンション。シンフォニア前文

以前『ピアノに限らず「鍵盤楽器」全般は「合奏の模倣」である。これは動かせない事実なのですから「合奏と同じ思考方法」は「必須」なのです。』と書きました。こちら

この文章の後に次の文章を持ってきます。
「クラヴィーアの愛好者、とくにその学習希望者に、(1)二つの声部をきれいに弾きこなすだけでなく、更に上達したならば、(2)三つのオブリガート声部をも正しく、かつ、手際よく処理し、あわせて同時にインヴェンツィオをたんに得るだけでなく、それをたくみに展開し、そしてとりわけカンタービレの奏法をしっかりと身につけ、しかもそのかたわら作曲への強い関心をも養うための明確な方法を教示するところの、正しい手引き。 アンハルト=ケーテン侯宮廷楽長ヨハン・ゼバスティアン・バッハ これを完成す。1723年。」(バッハのインベンション、シンフォニアの前文)こちらを参照
つまり、インベンションを「鍵盤楽器のための作品」ではなく二重奏 、三重奏として考えてみます。すると「一人で考えるのとは違う」発想が出てきます。また、ここには「二重奏、三重奏」としての音楽が詰まっています。
「相手を聴く」という発想。
自分ひとりで「弾く」感覚では、この発想は出てこない。「相手がここの音に移ったから、自分はここの音に移る。すると相手も反応しまた移る」というような聴きあう感覚が発生する。
「休み」の意味。
一人で弾く感覚では「左手は弾かない」というような休符の感覚しかない。しかし二重奏、三重奏では「休符は相手の音を聴きつつ自分の出るタイミングを準備する」ものである。
ほかにも、音を出す時の呼吸が違ってくると思います。今まで平面に見えていたバッハの楽譜が「立体に」なると思います。
作曲家の「作品」によけいなものをつけるのはいけないこととされていますが、あえて私は「インベンションとシンフォニアの前文」に先程の文章を付け加えます

また、付記として「ヴァイオリン、チェロのための2声」「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための3声」とちっちゃい文字で書きます。
バッハさんは私に大目玉をくわせるとおもいます。私はこれまで、散々バッハさんに悪態を突いてまいりました。今後も「悪態をつきつつ」バッハの作品を弾き続けることを誓います。
付記:私はバッハの作品が弦楽器的であるように思います。あるときヴァイオリン科の生徒にそれを言ったら「そうですよね。だってバッハの最初の就職はヴァイオリニストだったんじゃないですか?」調べてみると、どうもそのようです。
『1703年にヴァイマルの宮廷楽団に就職した。彼はヴァイオリンを担当したが、ヨハン・エフラーの代役でオルガン演奏もこなした』ウィキペディアより
私は、バッハのほかにもショパンの作品がが弦楽器的だと思っていますが、これについてはまた書きます

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