ハイフィンガー批判 第1回

こんにちは。
明石市魚住の大竹ピアノ教室の大竹道哉です。
本日もピアノに関するブログを発信していきます。

ピアノレッスン:ハイフィンガー奏法の模式図です。

実際の演奏で、どのようなことが起こるか、検証する必要があると感じています。
1.指の動きが一箇所に集中するので、鍵盤への動きの伝わりが単一である
2.指が縦に鍵盤に下ろされているので、鍵盤から指が離れにくい
3.指を折り曲げているので、手の使い方の幅や広さが狭い。
これらが、一見「よい点」もはらんでいることに注目できます。
1.音の大きさがそろう。
2.しっかりと鍵盤を抑える
3.手のポジションが限定され、手が置かれている範囲では間違った音が弾かれることが少ない
つまり、「タッチの多様性」を抜きにすると、良いことがそろってくるのです。おそらく、指をおりまげているので、手のポジションは5度ぐらいに収まるでしょう。「ドレミファソ」の範囲です。ちょうど、初心者は指返しがないので、たとえばこの範囲で曲を始めることが多いでしょう。ハノンの1~20番もこのポジションで事足りると思います。


さて、それらが「単一さ」しかうみださないことと、「硬直性」が伴っていることにも注目しなければなりません。
1.音の大きさがそろう。→様々な音色が出せない
2.しっかりと鍵盤を抑える→鍵盤から指が離れにくいので、音が後に残り、鍵盤からの指の離し方が雑になる
3.手のポジションが限定され、ある範囲では間違った音が弾かれることが少ない。→広い幅の音がつかめない。
つまり「演奏の多様性、音色の多様性」を求めていくならば、ハイフィンガーは良くないといえます。
実際に、打鍵のために動く部分は青○の部分だけなので、使える力は本当に制限されています。また茶色○の部分はがっしりと固定され、鍵盤から離れにくいです
ハイフィンガーは第2間接で折り曲げるので、手の大きさは青色の線で示したように、小さくなってしまいます。これを「狭い幅の中で確実に弾く」と見るか「手が拡がらなくて不便だ」と見るかです。
これで見てみると、ハイフィンガー奏法は「いくつかのことに制限をつけている」ことに気が付きます。
1. 打鍵のために使える筋肉の個所を指の特定の部分に限定している
2. 手の大きさやポジションを、大体おおまかに5度ぐらいの幅に限定し、手を小さく使っている
限定することによって「初歩には易しい」「わかりやすい」ということにはなってきます。ここが、この奏法がある程度広まった原因かと思われます。つまり、手のポジションが広がらなく、そこにある音符も4分音符、8分音符ぐらいだったら、なんとか行けてしまう。できているかできていないか、見た目に分かりやすい。ということでしょう。

追記1:井口基成(1908-1984)「ピアノ奏法の段階」1955年 音楽之友社
を読むと、ハイフィンガーを「初歩の基礎練習」ととらえていたようにも思えます。すると、井口氏の考える「初歩の弾き方」「中上級の弾き方」に何か違いはあるのだろうか?多くの人が「初歩の弾き方」を後々にまで引きずっているのだろうか?とも思います。「初歩の弾き方」から「中上級の弾き方」へはどのように推移させるのだろうか、その方法は井口氏にあったのか、それともその当時の社会状況など(中上級を目指して本格的にピアノを弾く人が少なかった)などから、この「推移の方法」が後回しにされたりしたのではないか?ということも、今後調査、検討されるべきだと思います。

追記2:私の疑問ですが、手が比較的小さい日本人に、なぜさらに手を狭く使うような奏法が取り入れられたのか?ここにも「日本にピアノがどのように取り入れられたか」ということと関係があるような気もします。

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ハイフィンガー批判 第1回” に対して1件のコメントがあります。

  1. Unknown より:

    Unknown
    なるほど!!
    ハイフィンガーの善悪が両方書いてあってなぜダメと言われているかとても納得できました。

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