ポリフォニーの練習について
バッハ:フランス組曲第5番ト長調 アルマンド
図のように、きちんと時間枠に音が埋まっているかどうかを、かなり几帳面に練習する。音は決して枠の中からはみ出たり、枠に満たされなかったりすることのないようにする。
その上、注意深くゆっくり「音の方向」を耳でよく追いかけていくようにする。この「2つの線」を丁寧に追えるようにします。一度できても、また元に戻りやすいので、できた後でもていねいに何度も繰り返し練習できるといいです。
指導者はレッスンの現場で、生徒がAを考えているか。それともBを考えているか聞き分ける必要があります。Bは「間違った」解釈です。それは以下のような発想です。
↑これはBの考え方で弾かれたもっともよくない例です。
つまり、↓の譜例
これが聞こえてこないといけない。つまり、バスの楽器のパート譜です。ただ「これが聞こえる」だけでなく「取り出して音のつながりが表現」できるようなアーティキュレーションで練習するといいです。こうしてみるとバスのパートは「ゆったり」弾かれるものだと思います。以下は中声のパート譜です。
要するに、↓のように合奏として理解することが大切です。
ピアノばかりやっているとついつい「単眼的なものの見方」からスタートしてしまいがちですが、本来は「ピアノ(鍵盤楽器)は合奏(複数の奏者)の模倣」だといえます。ですから、まず「複数人で演奏しているもの」として楽譜を読み、「パート譜、スコア」を書き出せることが必要と考えられます。と自分に言い聞かせています。