この弾き方はダメッ!!!
よく、ほかの教室から変わってきた人や、ピアノの先生の学びなおしレッスンであることです。
「ここではこのようにしたらいいかもね」と私が言ってやって見せたりしてやってもらいます。
その個所は、曲想に合った音が出てきて、生徒さんもそこでは満足するのですが。
その時に生徒さんの心の中で
「そんな弾き方はダメッ!」という声が、心の中から聞こえてくるといいます。
以前のレッスンで「厳しく」それを言われたといいます。
これは困った。以前のレッスンでつけたトラウマであることがあります。
「人間は、様々な経験を積んで糧にしていきます」
音を出してそれを聴く。どうすればどういう音が出てくることを経験して
積み重ねます。安易に強烈に否定すると、その「試行錯誤して選択する」という生徒の行為を
奪ってしまういます。
トラウマで「ピアノは先生の言うことにただ従うのだ」という回路だけをつけるようになると
もう、どのように対処していいのかわかりません。
私は基本的に「今の弾き方がそぐわない時は、出てくる音に注意を向けさせ、いろいろな方法を試してみたり提示する」
また「今の弾き方が他のところで使われる可能性もある」
「この弾き方はピアノの音に反応していない」ことを気付かせて「新たな方法を考える」。その「考える視野」を広げられるようにする。
などを考えています。
大変時間がかかりますし、指導者も生徒も考えることが何倍にもなります。
「特定のマニュアル通り」などということは、一切ありません。
しかし「自分で考えて得られた」ことは、いろいろな意味で強いです。
また「演奏者が考える」ことこそ「音楽演奏の意味」であると思っています。