ピアノ演奏のモデル、思考形態について

以前何度か述べたことではありますが、一人の人間は「会社組織」のような存在であり、各部分が独自に「感じたり考えたりすることができる」ということです。
そこではこの図式を提示しました。右手、左手がそれぞれ「自立、自律」してお互いに聴きあう存在であるということです。
しかし、この図だけでは不足です。たとえば、曲に3つの声部があるとします。これは、バッハ、シンフォニアのようなポリフォニーの作品とは限りません。メンデルスゾーンの無言歌を例に挙げてみます。ここでは上声と、バスがデュエットして、内声がハーモニーを響かします。その3つの声部の割り振りは、このようになります。
次に、ショパンのワルツを示しました。この場合、左手の中で2つのパートが分かれます。
左手は、a,b,二つのパートから成り立っています。手のグループ分けは、以下のようになります。
つまり、片手の中での分離と再編成が必要と言うことです。
以下の譜例のような取り方は、ワルツとしてあまり良い印象を受けません。

曲の各部分それぞれもっとも良いように、組織を再編成しなければいけないわけです。ある部分は2声、ある部分ではもっとたくさんの声。それらが様々に入り組んでいることも珍しくありません。私たちが思考形態を曲に合わせなければいけないわけです。
次の構図では、正しい形で作品を取り込めないです。
もしインベンション第6番であれば、このような理解になります。一つの頭脳が右手、左手交互に指令を出すモデルです。
このような発想では「一つのこと」にしか対処できないので「伴奏は(ただやたらと)静かに弾きましょう」とか「ポリフォニーではテーマを出してほかを静かに」ということを言って、「静かな部分」を「舞台から疎外」して終わりにしているのが見受けられます。つまり「多元的、立体的」な作品を「一元的、平面的」な中に押し込めて、「伴奏部分」や「対旋律」といったもの(あるいは勝手にそのように理解したもの)を切り捨てています。これは「芸術作品をねじ曲げている」行為だと言えます。
「その曲、その場にふさわしい思考体系」を作り上げるのが、ピアノ演奏にとって必須ということになります。

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